東京外国為替市場のドル・円相場は一時1カ月ぶりに1ドル=111円台を割り込んだ。トランプ米政を巡る不透明感などを背景に、前週末の米国市場でドルが売られた流れを引き継いだ。

  24日午後3時42分現在のドル・円相場は前週末比変わらずの111円11銭。早朝に付けた111円21銭から6月19日以来のドル安・円高水準となる110円77銭まで下げた後は値を戻した。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は一時1160.45と2016年5月以来の水準まで低下した後、下げ渋った。

  ドイツ証券外国為替営業部の小川和宏ディレクターは、「全体的にドル安の流れ」と指摘。「ドル・円に関しては、円ショートポジション(売り建て)の巻き戻しの動き。スパイサー米大統領報道官辞任は、ドル・円の材料になって円が反応している感じ」と述べた。

  米商品先物取引委員会(CFTC)によると、シカゴマーカンタイル取引所(CME)国際通貨市場(IMM)の先物取引非商業部門は18日時点で、円の売り越しが12万6919枚となり、14年1月以来の水準に達した。

  トランプ米大統領は21日、法務・広報戦略に関する人事を断行した。アンソニー・スカラムッチ氏をホワイトハウスの広報部長に起用し、スパイサー報道官は辞任した。

  一方、モラー特別検察官が率いるロシア疑惑捜査の拡大に備えて、トランプ大統領は自身の弁護団を刷新。大統領の娘婿で上級顧問を務めるジャレッド・クシュナー氏が24日、米上院情報特別委員会で非公開の証言を行うほか、26日には大統領の長男ドナルド・トランプ・ジュニア氏が上院司法委員会の公聴会で証言する。上院はトランプ氏側近とロシアとのつながりに関する調査を拡大している。

  24日の東京株式相場は続落。日経平均株価は前週末比124円08銭(0.6%)安の1万9975円67銭と2万円の大台を割り込んで取引を終了。この日のアジア時間外取引で米長期金利は前週末に続いて6月29日以来の低水準となる2.22%台まで低下する場面があった。

トランプ米大統領
トランプ米大統領
Photographer: Olivier Douliery/Bloomberg

  三菱東京UFJ銀行金融市場為替グループの野本尚宏調査役は、「トランプ政権で報道官が辞任するなど、不透明感が高まっていることもあり、これを嫌気した動きがドル・円の重しになっている」と説明。また「月末週ということで、米金利も下がりやすい」と述べた。

  今週は25、26日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)取引に基づいて推計される7月の米利上げ確率は24日時点で13.5%程度にとどまっている。

  ドイツ証の小川氏は、今回のFOMCについて、「ノーイベントだと思う。10月にテーパリング(バランスシート縮小)を開始し、12月に追加利上げと予想している。順番が変わっても目線は変わらない」と指摘した。

  ユーロ・ドル相場は同時刻現在、ほぼ変わらずの1ユーロ=1.1660ドル。一時は1.1684ドルまで上昇し、15年8月以来のユーロ高・ドル安水準を更新した。IMM通貨先物の非商業部門のユーロ買い越しは18日時点で9万1321枚と11年5月以来の高水準に達した。

  三井住友銀行の宇野大介チーフストラテジストは24日付のリポートで、ユーロ・ドルの上昇について、「欧州中央銀行(ECB)の出口に向かう姿勢と一方で米連邦準備制度理事会(FRB)の足踏みとが好対照となりカウンターパンチとして働いた帰結である」との見方を示した。

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