安倍晋三首相は24日午前の衆院予算委員会の閉会中審査で、学校法人「加計学園」の獣医学部新設問題をめぐり、自らの友人である加計孝太郎理事長から働き掛けや依頼があったことは「全くなかった」と説明した。国家戦略特区を利用した規制改革で個別案件を進めるよう指示したことも一度もないと否定した。

  安倍首相は「私の友人が関わることだから、国民から疑念の目が向けられることはもっともなことである」と指摘。これまでの国会での説明は「足らざる点があったことは率直に認めなければならない」と述べ、「丁寧に説明を重ねる努力を続けていきたい」と語った。小野寺五典氏(自民)への答弁。

  大串博志氏(民進)は首相と加計理事長との関係についてただした。首相は「気の置けない友人関係」であり、「ご馳走(ちそう)することもあれば、されることもある」と語ったが、愛媛県今治市での獣医学部新設を知ったのは政府の国家戦略特区諮問会議が計画を認定した今年1月20日と語った。

  衆院予算委は和泉洋人首相補佐官や前川喜平前文部科学事務次官らも参考人として招致した。前川氏は国家戦略特区での獣医学部新設について、和泉氏から「総理は自分の口からは言えないから、代わって私が言うんだという話があった」と対応を促されたと発言。和泉氏は「そういった記憶は全く残っていない。言っておりません」と否定した。

稲田防衛相

  首相が国会審議に出席するのは自民党が惨敗した2日の東京都議選後では初めて。毎日新聞が22、23両日に実施した世論調査では内閣支持率が26%と6月の前回調査から10ポイント減となった。安倍首相は8月早々にも内閣改造を行い、人心一新を図る考えだが、毎日の調査では自民党総裁任期が来年9月に終わることを踏まえ、「代わった方がよい」との回答は62%に達している。

  安倍首相は内閣支持率の低下について「国民の声であると真摯(しんし)に受け止めたい」と語り、その原因としては獣医学部新設の問題などについての「私の答弁、説明の姿勢についての批判もあるだろうと考えており、率直にそれは認めなければならない」と話した。玉木雄一郎氏(民進)への答弁。

  予算委で野党側は、南スーダン国連平和維持活動(PKO)の日報を巡る問題についても追及。大串氏は陸上自衛隊がデータを保管していた事実を非公表とする方針を了承したと報じられた稲田朋美防衛相の罷免を要求した。

  これに対し、安倍首相は引き続き徹底的な調査を行い、「改めるべき点があれば大臣の責任において徹底的に改善し、再発防止を図ることにより、その責任を果たしてもらいたい」と拒否。その上で、「閣僚の任命責任は全て総理大臣たる私にある。閣僚に対する厳しいご指摘については私自身、真摯に受け止めなければならない」と語った。

  一方、稲田氏はデータについて「私は報告を受ければ、必ず公表すべしという考えだ」と強調。その上で、「私の政治姿勢と真逆の隠蔽(いんぺい)するとか非公表を了承するということはない」と述べ、報道内容を否定した。笠井亮氏(共産)への答弁。

  今井雅人氏(民進)は安倍首相が1日、東京・秋葉原での都議選街頭演説で、自らを批判するシュプレヒコールを上げた一部聴衆に「こんな人たちに負けるわけにはいかない」と発言したことについて「今でも適切だったと思うか」と見解を求めた。

  安倍首相は自らの発言が批判する人たちを排除し、一切目を向けないということと捉えられたとすれば、「不徳の致すところで大変残念」と答弁。「批判にも耳を傾けながら政治を行っていきたい」とも語った。

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE