物価目標2%達成時期を「2019年度ごろ」に先送りした日本銀行の「弱気」は、物価見通しやリスクに関する政策委員の考えを示したチャートに表れている。

出所:日本銀行。 ●は「リスクは概ね上下にバランスしている」、△は「上振れリスクが大きい」、▼は「下振れリスクが大きい」と政策委員が考えていることを示す
出所:日本銀行。 ●は「リスクは概ね上下にバランスしている」、△は「上振れリスクが大きい」、▼は「下振れリスクが大きい」と政策委員が考えていることを示す
出所:日本銀行

  日銀が20日に発表した経済・物価情勢の展望(展望リポート)によると、9人のうち8人の政策委員がそれぞれの19年度の物価見通しについて「下振れリスクが大きい」と考えている。黒田東彦総裁と2人の副総裁のうち少なくとも2人が含まれ、4月の6人と比較して増えた。

  19年度の生鮮食品を除く消費者物価指数(コアCPI)前年比の新たな見通し(政策委員の中央値)は消費増税の影響を除くベースで1.8%上昇。4月の1.9%上昇から引き下げられたが、政策委員は下振れリスクをより強く意識している。

  SMBC日興証券の森田長太郎チーフ金利ストラテジストは21日付リポートで「日銀もインフレ見通しについてかなり自信を失っているようだ」と分析。兆候は「展望リポートの文面や黒田総裁の会見の端々にもうかがわれる」としている。

  黒田総裁は20日の会見で、物価目標の達成時期が先送りされたことは「残念」だと述べた。一方、目標に向けたモメンタム(勢い)は維持されているとして金融政策は変更せず、「今後も強力な金融緩和を粘り強く推進していく」と話した。 

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