7月第4週(24-28日)の債券市場では長期金利の低下が予想されている。日本銀行による金融緩和策が長期化するとの見方から買い圧力が掛かりやすいことが背景にある。一方、週内に40年債と2年債の入札を控えており、金利低下余地は限定的となるとの見方も出ている。

  長期金利の指標となる新発10年物347回債利回りは7月半ばの0.09%付近から徐々に水準を切り下げている。日銀が19、20日に開いた金融政策決定会合で、物価上昇率2%の目標達成時期を「2018年度ごろ」から「19年度ごろ」に先送りしたことを受けて、21日には0.065%と6月30日以来の水準まで低下した。

  三井住友アセットマネジメントの深代潤グローバル戦略運用グループヘッドは、「日銀が物価見通しを引き下げるなど、緩和策の出口が全く展望できない状況にあり、金利は低位安定ないしはゆっくり下がるイメージ」と説明。「日銀が景気に強気のスタンスを示した上での物価低迷見通しで、国内の経済指標がネガティブサプライズとなればリスクは明らかに物価の下振れ方向になり、市場は債券買いで反応しやすい」とみる。

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FOMCや国内指標見極め

  米連邦公開市場委員会(FOMC)は25、26日の日程で金融政策決定会合を開く。ブルームバーグがまとめた市場予想(中央値)によると、フェデラルファンド(FF)金利誘導目標は1~1.25%のレンジに据え置かれる見通し。市場はバランスシート正常化プログラムの開始時期が示唆されるかに注目している。

  国内では25日に40年利付国債の利回り競争入札、27日には2年利付国債の価格競争入札がそれぞれ予定されている。発行予定額は40年債が5000億円程度、2年債が2兆2000億円程度。経済指標では、28日に6月の完全失業率や家計調査、消費者物価指数(CPI)などが発表される。

  三井住友アセットの深代氏は、「40年債入札があるので、超長期の需給は緩やかにスティープ化の方向だが、日銀のオペで金利がそんなに上がらないという連想も働きやすい」と指摘。また、「緩やかなスティープ化の需給環境でマクロ的に悪い材料が出てくると、10年の金利がそんなに下がらなくても、長いところはそれなりに反応する可能性がある」と話した。

  日銀が先月末に公表した長期国債買い入れオペの運営方針によると、24日と28日に残存期間「1年超5年以下」と「5年超10年以下」、26日には「10年超」のオペが予定されている。

過去の日銀オペの結果はこちらをご覧ください。

市場関係者の見方

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◎JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長

  • 日銀のコントロール下で10年以下の金利は安定し、0.1%を超えることはないだろう
  • FOMCではFRBがどのくらい慎重姿勢なのかが注目点
  • 長期金利の予想レンジは0.03~0.09%

  
◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト

  • 積極的な買いは見込みづらいが、日銀の姿勢も確認されており下値不安は小さい
  • 様子見姿勢が続き、方向感は定まらない
  • 長期金利の予想レンジは0.05~0.09%

  
◎三井住友アセットマネジメントの深代潤グローバル戦略運用グループヘッド

  • もう一回金利上昇方向の材料が出てくるとしたら米欧の金融政策動向だが、FOMCがまだ動かないとなるとジャクソンホールくらいまでは何もない
  • 急速なユーロ高進行にはECBからけん制が入る可能性に警戒
  • 長期金利の予想レンジは0.05~0.08%

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