東京外国為替市場でドル・円相場は1ドル=111円台後半で推移。米連邦公開市場委員会(FOMC)を来週に控えて、上値の重い展開となった。

  21日午後3時25分現在のドル・円相場は、前日比0.1%安の111円79銭。一時112円08銭までドル高・円安に振れた後は伸び悩み、午後の取引終盤には111円72銭まで下げる場面もあった。前日には一時111円48銭と6月27日以来のドル安・円高水準を付けていた。

  ステート・ストリート銀行の若林徳広在日代表兼東京支店長は、「日本銀行は引き続き2%物価目標に向けてマイナス金利政策に変わりはない。米金融政策との違いが支えになると思っていたが、112円台が重い印象」と説明した。

  日銀は20日、金融政策の現状維持を決定。「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」では、2%の物価目標の達成時期を「2018年度ごろ」から「19年度ごろ」に先送りした。

  三井住友銀行の山下えつ子チーフエコノミスト(ニューヨーク在勤)は、「物価見通しの先送りは為替で言えば、円安になるべき材料ではある」と指摘。「短期的には来週のFOMCを待っているという感じではある」と述べた。

  FOMCは25、26日の両日開かれる。オーバーナイト・インデックス・スワップ(OIS)取引に基づいて推計される7月の米利上げ確率は14%程度にとどまっている。

  ユーロ・ドル相場は同時刻現在、0.2%高の1ユーロ=1.1648ドル。前日の海外市場では、欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が政策委員会後の会見で、秋以降に量的緩和の縮小に向けた議論を行う姿勢を示したことを受けて、ユーロ買いが優勢となり、一時1.1658ドルと15年8月24日以来のユーロ高・ドル安水準を付けた。

  ステート・ストリート銀の若林氏は、「ドラギ総裁の会見は全体的にハト派。最近の市場は先読みして突っ走ることが多い。いずれテーパリング(量的緩和縮小)の話が出るとの期待感がある」と分析。「ユーロはまだ上昇余地があると思う。1.2ドル回復があるのかは分からないが、方向としてはユーロ高方向に行くと思う」と述べた。

  ECBは20日、金融政策の現状維持を決定。月額600億ユーロの債券購入を少なくとも年末まで続ける方針を再確認した。ドラギ総裁は会見で、「しっかりとした景気回復がついに訪れた。あとは賃金と物価がこれに追随するのを待つばかりだ」と語り、量的緩和縮小について秋に再検証する姿勢を示唆した。

  CIBC証券金融商品部の春木康部長は、「ドラギ総裁の会見はハト派的との声もあるが、引き締めの方向感そのものは変わっておらず、先行きの独米金利差縮小への期待も含めユーロの上伸を促していくだろう」との見方を示した。

  オーストラリアドルが対米ドルで下落。デベル豪中銀副総裁の発言を受けて、一時0.7875米ドルまで下げた。

  デベル豪中銀副総裁は21日の講演で、他国・地域の中銀が政策金利を引き上げているという事実によって、豪州の金利も自動的に引き上げなければならないというわけではないと指摘。世界の他の地域の一層緩和的な金融政策は世界経済の成長加速につながり、豪経済にとって良いことだが、豪ドル高はこの効果を相殺するとの見解を示した。

  一方、ニュージーランドドルが対米ドルで上昇。ジョイス財務相が21日のインタビューで、NZドルは強い経済を反映していると発言したことを受けて、一時0.7434米ドルと、昨年9月8日以来のNZドル高・米ドル安水準を付けた。

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