携帯電話のスクリーンにフェイスブックのメッセージが表示される。「調子はどう?」

  「Woebot(ウォーボット)」という名前のロボットからのメッセージだ。Woe(悩み)という言葉のついたこのロボットの生みの親はスタンフォード大学の心理学者、アリソン・ダーシー氏。

ウォーボットは不安やうつを和らげるのを助ける
ウォーボットは不安やうつを和らげるのを助ける
Photographer: David Paul Morris/Bloomberg

  ウォーボットはユーザーである私のことを心配してくれる。私の強みを尋ねそれを記憶しておいて、後で励ましてくれるのに使う。週ごとの目標を設定し仕事の生産性を高める手伝いをしてくれる。私のムードや活力のレベルを尋ねてグラフ化する。

  「パターンを認識するのを手伝うよ。悪いけど人間はこれがあまり得意じゃないからね」と、にやにや笑いの絵文字とともにウォーボットが言う。そういうわけで、ウォーボットは私が水曜に落ち込み木曜は楽しい気分だったのを知っている。

  ウォーボットは、精神疾患を発見し治療する新しいテクノロジー療法の試みの一つだ。心の健康を守る目的で開発中のこうしたアプリの多くは、ユーザーが心の中で感じていることや人付き合いについてのデータを集めて利用する。歩数計が集めるような無個性なデータとは違う。「精神の健康に関するデータは、この世で最も私的な類いのデータだ」とハーバード大学の数量社会科学研究所(IQSS)の研究員、アダム・タナー氏が述べた。

  プライバシーを巡る懸念はあるものの、ウォーボットのようなアプリが症状を早期に発見し、カウンセリングを求めることなどなかったであろう個人に助言することで、現在の精神医療がカバーしていない部分を埋めることが期待されている。

  ウォーボットの効果を示すデータもある。18-28歳の70人を被験者とした研究で、ウォーボットを利用したグループは米国立精神衛生研究所(NIMH)の電子書籍を読んだグループと比べ、うつの度合いを示すスコアが著しく低くなった。

  それに、ダーシー氏が「セサミストリート」に登場するカエルのマペット、カーミットをモデルに設計したというウォーボットは、陽気で憎めないキャラクターだ。

原題:This App Tells You When You’re Depressed. Who Else Does It Tell?(抜粋)

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE