電機株人気が静まりそうにない。スマートフォンの普及や自動車の電装化などで電子部品や半導体の需要が急増、価格上昇を伴う好循環サイクルに入り、中長期業績の拡大を裏付けとした株高を見込んだ買いが続きそうだ。

  ハイテク株比率の高い米ナスダック総合指数が連日で史上最高値を更新するなど、世界的にハイテク株が選好されるなか、日本株市場でも東証1部電気機器指数はソニーやキーエンスなどをけん引役に年初来リターンが20日時点でプラス17%と、TOPIXのプラス7.5%を大きく上回る。電気機器のTOPIXでのウエートは13.4%と5年超ぶりの高水準になり、トップの座を固めている。

TOPIX内での業種別ウエート比率(電気機器と輸送用機器)
TOPIX内での業種別ウエート比率(電気機器と輸送用機器)
bloomberg

  ちばぎんアセットマネジメントの加藤浩史シニア・ポートフォリオ・マネジャーは、「今回の『テックインフレ』は通常の景気循環とは異なり、テクノロジー革命とも呼べるような時代の変化だ」と受け止めている。スマートフォンだけではなく、データ量の増大や人工知能(AI)の本格普及などで電子部品の品薄状況は続くと同氏はみており、ポートフォリオ内での電機株のウエートを「高めで維持しながら、決算が強い銘柄を個別でピックアップしていきたい」と話した。

  実際に四半期決算で業績好調が確認される時期でもあり、電機株へのさらなる資金流入を促しそうだ。スマホ製造向けの産業モーターやロボットを手掛ける安川電機は20日に2018年2月期業績計画を上方修正した。ゴールドマン・サックス証券の諫山裕一郎アナリストらはリポートで、「好調なファクトリーオートメーション(FA)のモメンタムはより強く長く続く」と見込み、株式市場のピークアウト懸念は強すぎるとした。

  快走する電機株の裏でさえないのが、もう1つの代表的な外需関連業種である自動車などの輸送用機器だ。13年末ごろにはTOPIX構成比が約12%で電気機器と同水準だった輸送用機器は8%台半ばに低下した。ちばぎんAMの加藤氏は「米国で車が売れず業績面は非常に厳しい」と指摘。カーシェアリングの普及やリース拡大などで自動車を取り巻く環境に構造変化が起こっている可能性があり、グローバルに自動車株には強気になれないとしている。

  投資信託協会が公表する投信の組み入れ株式業種別表によると、6月末現在で電気機器は15.5%と、この半年で0.8ポイント上昇した。一方、輸送用機器は1.1ポイント低下し7.3%となり、ファンドマネジャーの間で自動車株売り電機株買いが進んでいることがうかがえる。

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