7月4週(24ー28日)の日本株は膠着(こうちゃく)感の強い展開となりそうだ。さえない米国経済指標を背景に為替のドル安懸念が続きやすい中、国内では主要企業の決算発表が本格化するため、個別の業績内容を見極めつつ、銘柄選別の動きが強まる。

  米国では24日に6月の中古住宅販売、25日に7月の消費者信頼感指数、28日に4ー6月期の国内総生産(GDP)が公表予定。市場予想では中古住宅が前年同月比1.2%減(前回1.1%増)、消費者信頼感が116(同118.9)と悪化する半面、GDPは前期比年率1.4%から2.5%への改善を見込む。25ー26日の連邦公開市場委員会(FOMC)は、ゴールドマン・サックス証券が政策の修正はなく、声明では雇用に関する文章が上方修正されるが、インフレ率の低下が認められる可能性もあるとみる。利上げ観測が後退すれば、ドル安・円高を通じ日本株の重しになりかねない。

株価ボード前の歩行者
株価ボード前の歩行者
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  米国の政治動向も不透明要因だ。昨秋の大統領選挙におけるトランプ氏陣営とロシアとのつながりを捜査するモラー特別検察官は捜査対象を拡大、トランプ氏や関係者のビジネスに関わる取引について調べていると関係者が明らかにした。トランプ氏の選挙対策本部長を務めたマナフォート氏らは26日、米上院公聴会で証言する予定。状況次第で株式、金融市場でリスク回避の動きが広がる可能性はある。一方、共和党のマコネル院内総務は20日、医療保険制度改革法への取り組みを継続すると表明した。

  市場参加者の関心は個別企業の決算発表に向かう見通し。米国では24日にアルファベット、25日にキャタピラー、26日にフェイスブック、27日にベライゾンなどがある。国内では28日と31日が前半のピークで、25日は信越化学工業、26日は日本電産や任天堂、27日は東京エレクトロンなど。大和証券は、アナリストの業績修正は足元で上方修正が上回る状態が続くとし、今期経常利益は前期比13.1%増と分析。ただし、発表社数がまだ少ないため、指数全体への影響は限られる公算が大きい。第3週の日経平均株価は週間で0.1%安の2万99円75銭と小幅に反落。

  • ≪市場関係者の見方≫

アセットマネジメントOne運用本部の柏原延行調査グループ長
  「日経平均は2万円を挟みボックスでの動きだろう。6月の貿易統計をみても日本の輸出はしっかりしており、企業業績は一定の底堅さがある。今期は企業側のガイダンスが5%を下回る増益だが、おそらく1割程度の増益になりそうだ。ただ、第1四半期時点で通期計画を増額する企業は限定され、相場全体に大きな影響を与えることにはならない。FOMCは利上げ直後とあって注目を集めず、経済指標はドイツのIfo企業景況感指数程度と地味な週になりそう。一方、事前の米政策期待が乏しく、減税などの政策が前進する方向に進めば、市場が好感する可能性もある」

ちばぎんアセットマネジメントの加藤幸祐運用部長
  「マクロ指標が少なく、個別銘柄をピックアップする週になる。注目点はFOMC。利上げの際の声明に比べイエレンFRB議長の議会証言は慎重になっていたが、その後の米経済に加速感がなく、利上げを急ぐ状況ではないことを確認すれば、ドル・円相場にもアゲインストになりかねない。米企業の4ー6月期決算はコンセンサス通り良好。日本ではテクノロジー関連や任天堂などの決算が焦点で、テクノロジーは良い決算が出そうだ。1ー3月期決算では良いものが買われ、悪いものが売られるという素直な反応だったが、今回も同様の反応になるかどうかに注目している」

岡三アセットマネジメントの前野達志シニアストラテジスト
  「膠着を予想する。四半期決算は、安川電機のように市場予想から大きく上振れた銘柄に資金が向かっても、目線が高いだけに市場予想程度なら相場押し上げにはパンチ力不足。米国では政策停滞などでインフレ圧力が弱く、米長期金利が上がらず、円安が進みにくいことが日本株の上値を抑えている。ただ、米企業業績は良好で米国株にポジティブ、日本株にも一定の支えとなろう」

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