トランプ大統領はモラー特別検察官のロシア疑惑捜査について、ロシアと無関係のことを調べるのは一線を越える行為だと19日のニューヨーク・タイムズ(NYT)紙とのインタビューで発言した。これを受け、大統領は捜査の一環として自身のビジネス取引が調べられたことを理由にモラー特別検察官の解任を検討するのではないかとの臆測が広がった。

  しかし、モラー特別検察官の捜査権限の根拠となっている連邦法によれば、トランプ大統領はモラー氏を直接解任できない。解任しようとするなら、米司法省を大混乱に陥れる一連の措置が必要になる。

  同法によると、セッションズ司法長官がロシア関与疑惑捜査の指揮から外れたため、ローゼンスタイン司法副長官だけがモラー特別検察官を解任できるが、同副長官は「正当な理由」がない限り解任はしないとの立場を示している。従って、トランプ大統領がモラー氏を解任しようとするなら、まずは司法省のトップを解任し、モラー氏解任に同意する人物にすげ替えなければならない。実際、1973年10月にニクソン大統領は、当時の司法長官と副長官を辞任に追い込み、ウォーターゲート事件を捜査していたコックス特別検察官を解任した。この一連の解任劇は「土曜日の夜の虐殺」と呼ばれている。

  シェルドン・ホワイトハウス上院議員(民主、ロードアイランド)はモラー氏解任について、「これは政治的に存続不可能だと思う。大統領が誰かを通じてモラー氏を解任できる立場を得るために、周囲にどのくらいの害を及ぼさざるを得ないかは不透明だ」と指摘した。
 
  トランプ大統領のサンダース副報道官は20日、大統領はモラー特別検察官の解任を目指すかとの記者団の質問に、「トランプ大統領には現時点では、そうする意図はない」と答えた。
原題:Trump Removal of Mueller Likely Would Trigger Justice Purge (1)(抜粋)

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