米金融当局による短期金利引き上げの行き過ぎは、容易に起こり得る。著名債券投資家のビル・グロース氏が警鐘を鳴らした。

  「中央銀行当局者と投資家はこれ以上の短期金利引き締め、いわゆる『正常化』について用心するべきだ」とジャナス・ヘンダーソン・グローバル・アンコンストレインド・ボンド・ファンド(運用資産21億ドル=約2360億円)を運用するグロース氏が20日公表した月間投資アウトルックで促した。

  連邦準備制度は2015年12月以降、今年の2回を含めて4回利上げ。市場は19日時点で今年さらに1回の利上げ確率40%を示唆している。

  短期金利が長期金利より速いペースで上昇すれば、イールドカーブはフラット化する。フラット化はリセッション(景気後退)の前兆とされる。超低金利が非常に長く続いた後だけに、短期金利の小さな動きでも景気を反転させ得るとグロース氏は指摘した。

  「リーマン・ブラザーズ破綻前のサブプライム住宅ローンで分かったように、レバレッジの中で最も有害なのはイールドカーブの短期部分だ。負債を抱える人にとって月間の利払い負担が大きく増えるからだ」と記した。

  米国のイールドカーブは11、12両年の量的緩和(QE)ピーク時に比べ300ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)近くフラット化したとの分析を示し、「最近数年の緩和的金融政策で『うたげ』を続けてきた米国内外の高レバレッジ経済」はフラットなイールドカーブに耐えられないだろうと論じた。

  金融当局に対する「ゆっくり進め」との忠告は、これまで長期にわたる低金利の弊害を説いてきたグロース氏にとって、ちょっとした方向転換だ。今は短期の資金を借りている債務者が、経済への最大のリスクだと同氏はみている。

原題:Gross Says Central Banks Must Use Caution on Further Tightening(抜粋)

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