債券市場では先物相場が続伸。前日の欧州中央銀行(ECB)の金融政策決定会合後に欧米債相場が底堅く推移したことに加えて、流動性供給入札が順調な結果となったことを受けて、買いが優勢だった。

  21日の長期国債先物市場で中心限月9月物は前日比1銭安の150円13銭で取引を始め、150円11銭まで下げた。その後は上昇に転じ、午後の取引開始後には150円24銭まで買われた。結局は8銭高の150円22銭で終えた。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「入札結果が好感されて先物が買われており、それなりに需要があったようだ。5年債の買いなど中期も若干戻し基調だ」と指摘。「ECBは基本的に正常化の方向で利回り上昇懸念は続くが、欧米とも物価が上がらず金利がすぐに上昇していく状況ではない」との見方を示した。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の347回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値と横ばいの0.07%で取引を始め、同水準で推移した。新発5年物132回債利回りも横ばいのマイナス0.06%で取引された。新発20年物161回債利回りは横ばいの0.585%で寄り付き、0.59%に小幅上昇。新発30年物55回債利回りは横ばいの0.86%で推移した。

  財務省はこの日、残存期間5年超15.5年以下の銘柄を対象とした流動性供給入札を実施した。入札結果によると、投資家需要の強弱を反映する応札倍率は3.72倍と、同ゾーンの前回入札の2.88倍を上回った。平均利回り差はマイナス0.008%となった。

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欧米金利上昇圧力と日銀金利抑制

  20日の海外市場では、米国10年債利回りが前日比1bp低下の2.26%、ドイツ10年債利回りは同1bp低い0.53%で引けた。ECBが金融緩和策の段階的解除の決定を秋以降に先送りし、ドラギ総裁の記者会見での発言内容がハト派的と受け止められた。

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  JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長は、「欧州でも物価上昇圧力が弱く、金融緩和からの正常化ペースは緩やかだろうと市場が織り込んでいる。FRB(米連邦準備制度理事会)もここへきて慎重姿勢に傾いている」と指摘した。来週25、26日に米連邦公開市場委員会(FOMC)が開催される。

  日銀は欧米金利の上昇圧力に対し、7日の金融調節で残存期間5年超10年以下の国債買い入れオペ増額と指し値オペを実施。12日の調節では残存期間3年超5年以下の国債買い入れオペも増額し、金利上昇を抑える姿勢を明確にした。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の稲留克俊シニア債券ストラテジストは、「『海外発の金利上昇圧力VS日銀の金利上昇抑制措置』という6 月下旬からの円債市場のパワーバランスにしばらく著変はないとみておくのが自然」として、「債券市場参加者の間では7月前半の経験から日銀の金利上抑制措置の方に分があるとの見方が多いようにみえる」と指摘した。

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