東京外国為替市場ではドル・円相場が上昇。日本銀行の物価目標の達成時期見通しが先送りされたことを受け、ドル買い・円売りがやや優勢となった。

  20日午後3時48分現在のドル・円相場は前日比0.1%高の1ドル=112円07銭。日銀発表直前の111円98銭前後から一時112円22銭までドル高・円安に振れた。日銀はこの日の金融政策決定会合で、金融政策の現状維持を決定。同時に発表した「経済・物価情勢の展望」(展望リポート)では、従来「2018年度ごろ」としていた2%の物価目標の達成時期について、「19年度ごろ」になる可能性が高いとした。

  円は主要10通貨のうち7通貨に対して前日の終値を下回っている。黒田東彦総裁は午後の記者会見で、景気の総括判断を一歩前進させたとした一方、価格設定スタンスはなお慎重で、中長期の物価上昇率の高まりはやや後ずれとの見解を示した。その上で、2%目標に向けモメンタムに力強さが欠けており、注意深く点検が必要とし、経済物価・金融を踏まえてモメンタム維持に必要な政策調整を行っていくと述べたが、為替相場の反応は限定的だった。

  

  NBCフィナンシャル・マーケッツ・アジアのデービッド・ルーディレクター(香港在勤)は「物価目標の達成時期の後ろ倒しを受けて、緩和継続でほかの中銀とのコントラストがクローズアップされやすく、ドル・円やクロス円の押し目は支えられやすいだろう」と語った。

豪ドル反落

  午前の取引でドルに対して2年2カ月ぶりの高値1豪ドル=0.7989ドルを付けた豪ドルは午後に入り弱含む展開となった。一時は、15年5月以来の0.8ドル台の手前まで上昇したものの、午後3時直前には0.7923ドルまで反落した。

  ソシエテ・ジェネラル銀行の鈴木恭輔為替資金営業部長は、豪ドルの支援材料について、「18日の豪準備銀行議事録で利下げ観測が大幅に後退したことに加え、アップトレンドにある鉄鉱石価格の状況」を挙げた上で、午前に発表のあった豪雇用統計が市場予想通りなら、大台を試す可能性があると指摘していた。

  6月の豪雇用統計では、正規雇用者が増加したほか、労働参加率は65.0%と市場予想の64.9%を上回った。半面、失業率は市場予想と同じ5.6%、雇用者全体の数は1万4000人増と予想を1000人下回った。

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