欧州中央銀行(ECB)のドラギ総裁が、ポルトガルのシントラで行ったスピーチで市場を動揺させてからおよそ3週間が経過した。同総裁は20日の政策委員会終了後に記者会見に臨むが、ユーロ圏の景気回復を巡る楽観と、金融刺激策の縮小を可能な限り緩やかなペースで行いたい意向との微妙なバランスが求められそうだ。

  発言が楽観的過ぎればトレーダーが先走り、債券利回りを高過ぎる水準に押し上げることになりかねず、逆に厳し過ぎる印象を与えれば、政策委メンバーが9月に開く次回会合で何らかの政策変更を発表したいと考えているかどうかについて、期待の再調整を迫られることになるだろう。

  ECBはフランクフルト時間20日午後1時45分(日本時間同8時45分)に政策金利の決定を発表し、45分後にドラギ総裁が記者会見を行う。ブルームバーグのエコノミスト調査では、政策金利と資産購入目標はいずれも現状維持が予想されている。しかし、必要な場合には量的緩和(QE)の規模と期間を拡大するという約束を取り下げるかどうかを巡り意見が分かれており、ドラギ総裁が会見で何を発言するかが焦点となる。

  資産購入プログラムは年末まで継続される予定だが、ECB政策委メンバーがQE縮小を初めて公式に協議したかどうかが、総裁会見で明らかになる見通しだ。緩やかな物価安定の回復軌道を妨げる根拠のない市場の引き締まりを招くことが懸念されるため、その重要な一歩を踏み出すことがこれまで先送りされてきた。ドラギ総裁は6月27日にシントラで、現行の金融刺激策の「パラメーター調整」の余地を新たなリフレの力が与える可能性があると発言し、ユーロ相場と債券利回りが急上昇した。

  クレディ・アグリコルCIBのECBストラテジスト、ルイ・アロー氏(パリ在勤)は「ECBは市場がゆっくりとそれを受け入れて徐々に順応できるようにするため、テーパリングが1月に起きるとはっきり明示せずに市場に周知させる必要があろう」と指摘した。

原題:Draghi Moves On From Sintra as ECB Refines Message on Stimulus(抜粋)

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