債券市場では先物相場が小幅反発。日本銀行が金融政策決定会合で、2%の物価目標の達成時期を1年先送りしたことを受けて、緩和策が長期化するとの見方を背景に買い圧力が掛かった。

  20日の長期国債先物市場で中心限月9月物は前日比2銭安の150円11銭で取引を開始し、一時は150円06銭まで下落した。日銀会合の結果発表を受けて、午後は徐々に持ち直し、2銭高まで上昇。結局は1銭高の150円14銭で引けた。

  現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の347回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より0.5ベーシスポイント(bp)高い0.075%で寄り付いた。午後は横ばいの0.07%に買い戻された。

  野村証券の中島武信クオンツ・アナリストは、「日銀はある程度強気の物価見通しを出してきていたが、ここで引き下げたということは、長期戦に突入することなのではないか」と指摘。「メインシナリオとしては、金利が上がらない方向というのが素直な解釈」と話した。

  日銀はこの日の金融政策決定会合で、政策の現状維持を決めた。一方、2%の物価目標の達成時期は「19年度ごろ」とし、従来の「18年度ごろ」から先送りした。

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  JPモルガン証券の山脇貴史チーフ債券ストラテジストは、日銀が経済・物価情勢の展望(展望リポート)で物価見通しを引き下げ、2%の物価目標の達成時期を「19年度ごろ」へ1年ほど先送りしたのを受け、「需給ギャップなどに基づく綺麗な理論で説明するのが難しくなっている。日銀は潔く諦めた印象」だと述べた。

  四半期ごとに公表する展望リポートでは、生鮮食品を除く消費者物価指数(コアCPI)前年比の新たな見通し(政策委員の中央値)は17年度が4月の1.4%上昇から1.1%上昇に、18年度は1.7%上昇から1.5%上昇に下方修正された。19年度は消費増税の影響を除くベースで1.9%上昇から1.8%上昇に引き下げた。一方、成長率見通しは17年度を1.6%から1.8%、18年度を1.3%から1.4%といずれも上方修正した。

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ECB会合見極め

  この日の海外時間には欧州中央銀行(ECB)が政策委員会の結果を発表する。ブルームバーグのエコノミスト調査によれば、ECBは債券購入ペースを落とす方針を今回の会合では示さず、9月まで待つ公算が大きい。6月27日に開かれた年次のECBフォーラムで「デフレ圧力はリフレの力に置き換わった」と語ったドラギ総裁の記者会見が注目されている。

  SMBCフレンド証券の岩下真理チーフマーケットエコノミストは、「物価2%を見たことがある欧米に比べ、日本は違う」と説明。「金融緩和の出口政策に向かう、向かわないという点では大きな違いがあり、ECB会合を控えていることが日銀発表後も市場の反応が乏しい最大の要因」と話した。

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