米金融当局者が約5年前、インフレ目標の採用を議論していた際、タカ派は物価安定の責務を達成する最善の方法として1.5%の目標を推した。連邦準備制度理事会(FRB)のバーナンキ議長(当時)とイエレン副議長(同)はこの主張に抵抗し、他の中央銀行で主流となっていた2%を目標とすることで合意にこぎ着けた。

  今になって考えれば、現在議長を務めるイエレン氏はこの闘いに勝ったものの、戦争には負けているかもしれない。

  米金融当局が2012年1月にインフレ目標を導入して以降、個人消費支出(PCE)価格指数の伸びは平均1.3%で推移している。緩やかな米景気拡大ペースと海外の低迷が重しとなってきた。この結果、消費者や企業が今後もインフレ目標の未達が続くと予想し、その達成に向けた当局の取り組みを妨げるリスクがある。

  シカゴ連銀のエバンス総裁は、同連銀のウェブサイトに14日に掲載された講演テキストで「インフレ期待が低下すれば、中銀によるインフレ目標の達成は一層難しくなる」と指摘した。

  そうなれば、米金融当局が緩やかな利上げを続ける計画が切り崩されることになりかねない。金融政策を引き締めながら、インフレやインフレ期待を押し上げるのは困難なためだ。

  米金融当局は過去3四半期に3回利上げした後、年内にもう1回と来年には3回の利上げを見込んでいる。7月25、26両日に開く次回連邦公開市場委員会(FOMC)では、金利据え置きを決めると広く予想されている。

  イエレン議長は12日、下院金融委員会での証言で物価動向を注視していると述べた上で、「インフレの下振れが持続すると考えられれば、政策を調整する用意がある」と語った。

原題:Fed’s Long-Run Miss of Inflation Goal Undermines Rate Hike Case(抜粋)

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