輸出から輸入を差し引いた日本の貿易収支は、6月速報で2カ月ぶりの黒字となった。市場予想は下回った。

キーポイント


  • 貿易収支は4399億円の黒字(ブルームバーグ調査の予想中央値は4880億円の黒字)-前月は2042億円の赤字
  • 輸出は前年同月比9.7%増の6兆6076億円と7カ月連続の増加-前月は5兆8512億円
  • 輸出数量指数は4%増と5カ月連続の増加
  • 輸入は同15.5%増の6兆1676億円と6カ月連続の増加-前月は6兆554億円

背景

  政府は19日発表の7月の月例経済報告で、アジア向けを中心に「輸出は持ち直している」との基調判断を維持した。日銀短観(6月調査)の大企業・製造業の業況判断指数(DI)も3期連続で改善した。輸出と生産の回復が景況感を押し上げた。

  一方、物価上昇の歩みは遅く、政府と日本銀行の目標とする2%からは程遠い状態が続く。20日には日銀の金融政策決定会合の結果が公表され、黒田東彦総裁が会見を開く。ブルームバーグの調査では、全員が現状維持を予想。2%の物価目標について6割が「実現しない」と答えた。

  政府は14日、日欧経済連携協定(EPA)交渉の大枠合意を踏まえた対策の基本方針を決定。安倍晋三首相は同日の会合で農林水産業について「守る農業から攻める農業に転換する」と述べた。18日から28日まで、東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の交渉会合がインドで開かれている。

エコノミストの見方

  • 野村証券の桑原真樹シニアエコノミストは電話取材で、世界的に在庫の積み増しが一服しており、輸出の伸びの「加速局面は終わった」と指摘。輸出の影響を受け、7-9月期以降は国内総生産(GDP)も「若干、鈍化する」と予想した。
  • JPモルガン証券の足立正道シニアエコノミストは電話取材で、好調な中国経済を受けて7-9月期は輸出が持ち直すと分析。強いアジアの需要は「安心材料」になると述べた。消費や公共投資など内需も強く、財政政策で景気を刺激する局面ではないと分析している。

詳細

  • 欧州連合(EU)からの輸入が6月として過去最高-自動車や原動機が寄与
  • 中国への輸出が6月として過去最高-自動車部分品や半導体等製造装置が寄与
  • 原油輸入は前年比で金額3.1%増、数量12.5%減
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