19日の東京株式相場は小幅反発。利益計画を上方修正した東宝など情報・通信株、日経平均株価の採用観測が広がったリクルートホールディングスなどサービス株と内需セクターが高い。米国ナスダック指数の高値更新でグロース選好の流れもあり、人気ゲームソフトの発売を週末に控えた任天堂も上げた。

  一方、トランプ政権の政策停滞懸念などから米長期金利が低下、為替市場で円が対ドルで高止まりしていることが嫌気され、輸送用機器や電機、機械など輸出株、保険やその他金融など金融株は軟調で、相場全般の上値を抑えた。

  TOPIXの終値は前日比1.39ポイント(0.1%)高の1621.87、日経平均株価は20円95銭(0.1%)高の2万20円86銭。

  アイザワ証券投資顧問室の三井郁男ファンドマネジャーは、4ー6月期決算で高い進捗(しんちょく)率が見込めるなど、「バリュエーション面で相対的に割安な日本株がさらに割安になるほど、ファンダメンタルズが悪いわけではない」と指摘。ただし、日本には「米国の『FANG』のような明確なグロース株が見当たらない」とし、全体として株価指数の上値は重くなるとの認識を示した。

東証内
東証内
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  きょうの日本株は、米長期金利の低下や円の強含みが嫌気され、金融や輸出株中心に続落して開始。しかし、円高方向への勢いが限られたほか、好業績銘柄への評価などから午前後半にかけTOPIXと日経平均はプラス圏に浮上。午後の取引は伸び悩んだが、上昇を維持した。

  内需セクターを中心としたグロース銘柄選好の動きが指数の持ち直しを後押しした。TOPIXグロース指数は0.3%上昇し、0.1%安だったバリュー指数をアウトパフォームした。背景にあるのは、米テクノロジー株の強い動きだ。18日に米ナスダック総合指数は約1カ月半ぶりに最高値を更新。ネットフリックスは4ー6月の契約者数の伸びが予想を上回り、海外契約者数が初めて国内契約者数を上回るなど、好調な業績を確認した。

  いちよしアセットマネジメントの秋野充成執行役員は、足元の為替水準なら今期は「10%増益とみて、日経平均の2万円前後はフェアバリュー」と分析。日本株市場での投資資金の滞留は、業績安心感が背景にあるとみている。

  ただし、指数の上昇力も限られた。米国では、2年間の猶予付きで医療保険制度改革法(オバマケア)を廃止する米上院共和党指導部の新たな案の議会通過が困難となっており、減税を含むトランプ政権の政策実現に不透明感が再燃している。18日の米10年債利回が2.26%と6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下、きょうの為替は一時1ドル=111円80銭台と前日の日本株終了時112円11銭からドル安・円高に振れ、投資家心理にはマイナスに作用した。

  東証1部33業種はその他製品、水産・農林、情報・通信、サービス、鉄鋼、化学、食料品、建設、電気・ガスなど15業種が上昇。その他製品は、21日にゲーム機スイッチ向けに人気ソフト「スプラトゥーン2」が発売される任天堂の上昇がけん引した。海運やその他金融、証券・商品先物取引、輸送用機器、ガラス・土石製品、電機、機械、保険など18業種は下落。

  売買代金上位では、映画の好調で2018年2月期の利益計画を上方修正した東宝が大幅高。野村証券が10月と予想する日経平均の定期見直しで代替候補に挙げたリクルートホールディングス、野村証が投資判断を「買い」に上げた昭和電工も高い。一方、東芝やKLab、gumi、パーク24、オリックス、ANAホールディングスは安い。

  • 東証1部の売買高は16億4142万株、売買代金は2兆208億円
  • 上昇銘柄数は1136、下落は760
    東証1部33業種の騰落率
    東証1部33業種の騰落率
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