東京外国為替市場でドル・円相場は一時1ドル=112円台を割り込み、約2週間ぶりのドル安・円高水準を付けた。米ヘルスケア法案の成立困難などを受けた米金利低下や日本株下落などを背景に、ドル売り・円買いが優勢となった。一方、ユーロ・ドル相場は約1年2カ月ぶりに1ユーロ=1.15ドル台に上昇した。

  18日午後3時53分現在のドル・円は前日比0.4%安の112円18銭。朝方に付けた112円69銭から水準を切り下げ、午後に入り一時111円99銭と今月3日以来のドル安・円高水準を付けた。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドル・スポット指数は0.4%安。

  CIBC証券金融商品部の春木康部長は、「ドル・円は日本銀行の話や米ヘルスケア法案反対を懸念した株安などが重しとなって112円前半に水準を下げている。ただ、112円前半では買いの目が強い印象」と分析。「米経済指標が弱いものが続く中で112円台は重くなりそうだ」と述べた。

  米共和党上院議員でさらに2人が17日、マコネル院内総務が公表した医療保険制度改革法(オバマケア)代替法案に反対の意向を示し、同法案は事実上葬りさられた。マコネル上院院内総務は同日、代替法案の成立を断念し、オバマケア廃止法案の採決だけを目指すと表明した。ただ、代替法案なしの単なる廃止はほぼ確実に不成立に終わる見込み。

  17日の米国市場で、長期金利は前日比2ベーシスポイント(bp)低下の2.31%程度で終了。18日の時間外取引では一時2.30%を下回る場面が見られた。

  日銀の金融政策に詳しい複数の関係者への取材によると、日銀が年6兆円規模で行っている指数連動型上場投資信託(ETF)の買い入れの持続可能性について、日銀内から懸念の声が上がっている。ただ、喫緊の課題ではないとみられており、19、20日の金融政策決定会合で修正する可能性は低いという。ブルームバーグ調査では、回答した43人全員が日銀金融政策の現状維持を予想している。

  この日の東京株式相場は反落。日経平均株価は前週末比118円95銭(0.6%)安の1万9999円91銭と、6営業日ぶりに2万円の大台を割り込んで取引を終了した。

  三井住友銀行の宇野大介チーフストラテジストは、ドル・円について、「今週の下値めどは6月中旬からの上げの61.8%押しの111円ちょうどがターゲットになる。一方、上値めどは113円10~20銭程度」と指摘。「4-6月期の米個人消費は弱い数字になる可能性が高い。28日発表の4-6月期米国内総生産(GDP)で、1-3月期の景気減速が一時的なものではないことが明確になるのではないか。米指標悪化、原油価格下落、米長期金利2.2%割れを目指す方向が8月初めまで続く」と見込んでいる。

  ユーロ・ドルは同時刻現在、0.4%高の1ユーロ=1.1521ドル。一時1.1538ドルと昨年5月3日以来のユーロ高・ドル安水準を付けた。欧州中央銀行(ECB)は20日に政策理事会を開く予定。

  ソシエテ・ジェネラル銀行の鈴木恭輔為替資金営業部長は、ユーロ・ドルについて、「米ヘルスケアの話がドル売りに多少影響したのではないかと思う。ただ1.15ドルのトリガーも意識されていた」と指摘、昨年高値1.16ドルを試す流れになりやすいとの見方を示した。ECB理事会については、「早くても9月の発表というのがコンセンサスで今月何かあるという訳ではないと思う。6月のドラギ総裁発言で騰勢が強くなっている状況。7月に動くということではなく長期的な観点で出口に向かっていくという流れ」と述べた。

  ポンド・ドルは同時刻現在、0.3%高の1ポンド=1.3097ドル。この日は6月の英物価統計が発表される。ブルームバーグ調査によると、消費者物価指数(CPI)は前月比0.2%上昇、前年比2.9%上昇が見込まれている。5月は前月比0.3%上昇、前年比2.9%上昇だった。

  三井住友銀の宇野氏は、ポンド・ドルについて、「反落リスクが低い通貨でポンドは強含みか。1.3ドルを上抜けたので次は昨年夏場の高値1.35ドルに向けた動き」を見込んでいる。

  オーストラリア・ドルが対米ドルで上昇。今月4日の豪中銀議事録公表を受けて、一時1.6%高の1豪ドル=0.7924米ドルと2015年5月以来の豪ドル高・米ドル安水準を付けた。

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