米共和党議員の間で18日、医療保険制度改革法(オバマケア)代替法案の採決を断念したことの動揺が広がっている。トランプ大統領はオバマケアを破綻させるのもいとわないとし、上院採決の基準緩和を訴えた。

  マコネル上院院内総務は17日、上院は執行まで2年の猶予を置くオバマケア廃止法案の採決を目指すと表明した。代替措置を伴わない廃止だけの法案は、可決のハードルが一段と高くなる公算が大きい。

  トランプ大統領は18日にツイッターに投稿し、共和党が52議席、民主党が48議席を占める上院は、特別な早期可決手続きを取らない法案の本会議採決に60票を要するという現行基準を撤廃するべきだと述べた。

  「廃止法案の一部ですら60票が必要だ。8人の民主党議員が上院を支配している。まともじゃない!」とツイート。さらに、代替案について前進する前に「オバマケアを破綻させる」こともいとわないと続けた。

  ライアン米下院議長は記者団に対し、「上院には何らかの前進」を期待すると話した。下院は5月に、独自のオバマケア代替法案を可決済み。「オバマケアが存続し、その間国民への打撃が続くことが心配だ」とライアン氏は述べた。

  オバマケアを廃止・代替するという7年前からの共和党の公約を達成できなければ、トランプ大統領と議会の過半数を掌握している共和党にとって、大統領選勝利以降で最大の失点となる。

ジェリー・モラン議員
ジェリー・モラン議員
Photographer: Andrew Harrer/Bloomberg

  マコネル院内総務の発表は、共和党上院議員でさらに2人が同院内総務の修正ヘルスケア法案に反対を表明したことを受けたもの。既に同法案不支持を表明していたランド・ポール、スーザン・コリンズ両上院議員に加え、マイク・リー、ジェリー・モラン両議員も反対の意向を示し、同法案の不成立が確実になっていた。

  リー、モラン両議員は声明で、上院共和党案は増大するヘルスケアのコストに十分対応できていないとして、支持しない理由を説明した。

  モラン議員はツイッターへの投稿で、「悪い政策を承認すべきでない」と言明。「ヘルスケア法案は密室の中」で起草されたとしてプロセスを批判、上院は公開の公聴会や議論で「一からやり直す」必要があると指摘した。

  リー議員は、現行案はオバマケアの税や規制などを撤廃する内容になっていないほか、保険料の低下にもつながらないとした。

  草の根保守運動「ティーパーティー(茶会)」の支持を受けている2議員の造反は、マコネル院内総務に加え、オバマケア廃止を選挙公約に掲げたトランプ大統領にとっても打撃となった。

  トランプ大統領は17日夜のツイッター投稿で、「共和党は破綻しているオバマケアを今ここでまず廃止し、新たなヘルスケア計画を白紙の状態から始めるべきだ。民主党も加わるだろう」と述べた。

  しかしそれはたやすいことではない。議会は昨年、オバマケア廃止法案を通過させたが、それは当時のオバマ大統領によって拒否されると分かっていたためだ。今年は議会を通過すれば法律となり得るため、廃止法案は党内で特に保守的な議員らを除き、共和党上院議員の支持をほとんど得られていない。

原題:GOP Tries to Regroup on Obamacare Repeal as Trump Lashes Out(抜粋)

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