三菱UFJフィナンシャル・グループなど、日本企業の米ドル建て債の起債が相次ぎ、7月の2週間余りで既に月間ベースの過去最大に達した。同月は例年発行額が多いが、上乗せ金利(スプレッド)縮小など市場環境も後押しし、調達手段の多様化や企業の合併・買収(M&A)など海外事業拡大を目的にした起債が目立った。

  ブルームバーグのデータによると、7月に入ってから18日までのドル債発行額は156億6000万ドル(約1兆7500億円)と、データでさかのぼれる1980年以降で月間ベースの最大。

  12日に5億ドルを起債した武田薬品工業は米アリアドの買収のための短期借入金の返済資金に充てる。初のグローバルドル債を起債した三井不動産は調達手法の多様化や海外での不動産事業機会拡大につなげるという。ソフトバンクグループの45億ドルや三菱商事5億ドル、オリックス12億5000万ドルなどを起債した。

  このほか、18日にはMUFGが40億ドルのグローバル債を起債。3本建てで、10年債は米国債に103ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上乗せした水準で条件決定した。

  日本企業のドル資金需要が高まる中、市場環境も起債に有利に働いている。昨年末のドル金利上昇でローンなどでの調達コストが上がっているのに対し、ドル建て債は需給のひっ迫に伴いスプレッドが縮小している。ブルームバーグ・バークレイズ指数によると、ドル建て投資適格債の平均スプレッドは18日時点で104bpと、2014年9月以来の低水準。

  JPモルガン証券の加藤政紀債券資本市場部長は、かねて資金調達の多様化を課題に掲げる企業にとって、ドル債発行には「ちょうど良い機会」と指摘する。起債準備の関係で3月期決算企業にとっては7月は選びやすいタイミングであり、「米国の金融政策や地政学リスクを含めてマーケットが落ち着いていることを確認して起債した」とみている。

  同氏は「調達の多様化というテーマはより一層リアルになり、いろいろな発行体がマーケットに出てくる可能性はある」と予想。英語での発行書類の準備など大きなハードルが立ちはだかるものの、「1回乗り越えれば継続的に活用する発行体もあるかもしれない」という。

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