「ドレッド・パイレート・ロバーツ」はウォール街をビットコインのファンにすることはできなかった。だが、モルガン・スタンレー最高経営責任者(CEO)だったジョン・マック氏ならできるかもしれない。

  ドレッド・パイレート・ロバーツはオンライン闇市場「シルクロード」を運営しビットコインを使った違法取引の場を提供したことで終身刑になったロス・ウルブリヒト受刑囚が使っていたハンドルネーム。初期の仮想通貨にはこうした怪しい側面があり、ウォール街は触れようとしなかった。

  しかし投資家はもはや、仮想通貨の驚異的な値上がりを無視できない。ビットコインは今年に入ってから150%近く値上がりした。問題はデジタル資産の売買でコンプライアンス(法令順守)部門が問題視しないような方法を見つけることだ。そこにマック氏の出番がある。

John Mack
John Mack
Photographer: Chris Goodney/Bloomberg

  マック氏は新興企業オメガ・ワンへの初期投資家の1人。同社はビットコインやイーサなどの仮想通貨を保有したいが顧客確認の徹底やマネーロンダリング(資金洗浄)防止を求める当局からにらまれたくないという資産運用会社や機関投資家のためにブローカー役を務めようとしている。

  「仮想通貨市場にここ数年間、注目し投資してきた」と言うマック氏は、仮想通貨が出現させる新しい経済において、「仮想資産により低い費用で簡単にアクセスできるようにする」という点でオメガ・ワンは「これまでのやり方を変える企業になると考えている」と電子メールでコメントした。

  ウォール街とデジタル通貨をつなぐ仲介役として信頼できる企業が求められるのには理由がある。ビットコインをはじめ仮想通貨は価格変動が激しい。ビットコインのネットワークを形成するコンピューターの半分以上が中国にあることも投資家が警戒する理由だ。ここ数年間に起こった窃盗やハッキングとされる事件は仮想通貨取引所の安全措置への信頼を揺るがせた。

  保守的な投資家が抱く仮想通貨への不安や疑念はオメガ・ワンのような企業を必要にする。「われわれは伝統的な資本市場と仮想市場の橋渡しをする」と最高技術責任者(CTO)のアレックス・ゴードンブランダー氏がインタビューで述べた。

原題:Mack Takes Bitcoin Where Dread Pirate Roberts Feared to Tread(抜粋)

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