米カリフォルニア州の上級裁判所は14日(日本時間15日早朝)、米ウエスタンデジタル(WD)が合弁相手の東芝が進めているメモリー事業売却の差し止めを求めた訴訟で初の審問を開き、判断を先送りした。

  同裁判所は東芝がメモリー事業を売却する際にはWD側に2週間前に通知することを提案。東芝は、この提案に基づき、28日に開かれる次回の審問までは事業売却を完了しないことで合意したとのコメントを発表した。

  WDのスティーブ・ミリガン最高経営責任者(CEO)も、裁判所が事前通知なしに持ち分を売却しないよう東芝に指示したことは「ウエスタンデジタル、サンディスク、そしてわれわれのステークホルダーにとって勝利であると喜ばしく受け止めている」との声明文を発表。同社の目的は「拘束力のある仲裁手続きまで当社の権利を維持保全すること」とし、「本日裁判所がとった措置は、まさにその目的にかなうもの」とした。

  売却を巡っては東芝は6月21日に産業革新機構を軸とする「日米韓連合」を優先交渉先に決め、参加する各社の出資比率など細かい条件を盛り込んだ契約書の作成を進めている。同機構の志賀俊之会長は14日、記者団に対し、正式契約を「来週中には何とかまとめたい」と話していたが、上級裁が判断を先送りしたことで、さらに時間を要することになる。東芝は声明文で、この提案はメモリー事業売却の契約締結を妨げるものではないため、交渉を継続し早期合意を目指すとの考えを示した。

  米原発事業の巨額損失で債務超過に陥った東芝は、その解消のため4月に分社化した東芝メモリの年度内売却を目指している。しかし、WDは売却は合弁契約に違反すると主張。5月に国際仲裁裁判所に売却中止を求め仲裁を申請し、判断が下されるまでの間の売却差し止めを求め、米裁判所に仮処分を請求していた。最終的には国際仲裁裁が示す判定が有効となるが、いつ仲裁判断が出されるかは不明。東芝も日本でWDを相手取り訴訟を起こすなど、訴訟合戦に発展している。

  東芝は対立姿勢を見せながらも、東芝メモリの売却先にWDが合流する余地も探っている。綱川智社長も6月の会見で係争関係は避けたい意向を示している。柳田国際法律事務所の柳田一宏弁護士は、両社は法廷闘争の中で最初に出る裁判所の判断内容を受け、問題解決の糸口を探り始める可能性を指摘していた。
 

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