トランプ大統領の長男トランプ・ジュニア氏のメール公開で、ロシア政府による米大統領選介入疑惑は強まる一方だ。このメールに登場したアゼルバイジャン出身の実業家に注目が集まっている。

  この実業家とは、2013年の「ミス・ユニバース」モスクワ開催を実現させたアラス・アガラロフ氏。やはり不動産で成功し、息子でポップ歌手のエミン氏はアゼルバイジャンのアリエフ大統領の娘と結婚していたことがある。

左からトランプ氏、アラス・アガラロフ氏、2012年ミス・ユニバースのオリビア・クルポ氏、エミン氏(13年のミス・ユニバース大会で)
左からトランプ氏、アラス・アガラロフ氏、2012年ミス・ユニバースのオリビア・クルポ氏、エミン氏(13年のミス・ユニバース大会で)
16: (L-R) Donald Trump, Aras Agalarov, Miss Universe 2012

  トランプ・ジュニア氏が公開したメールによると、アガラロフ氏は2016年6月、チャイカ検事総長とみられる「ロシアの最高検事」と会談。チャイカ氏は米大統領選の民主党候補だったヒラリー・クリントン氏に不利となる情報をトランプ氏側に伝えることを望んだという。これを受けてエミン氏が協力者に対し、ロシア人弁護士とトランプ・ジュニア氏との会合を設定するよう要請した。

  アガラロフ氏側はこのメールに見られる疑惑を否定。一族の代理人を務めるスコット・バルバー弁護士は「アガラロフ一族がロシア政府絡みの仲介役を務めたり、選挙に関係する情報を伝達することは決してない」と主張した。

  ロシア大統領府もこの疑惑に関与していないと言明した。トランプ・ジュニア氏は面会した弁護士はロシア当局者ではなく、クリントン氏に関する情報を持っていなかったと述べている。

  トランプ大統領とアガラロフ氏は2013年からの知り合い。ミス・ユニバースのモスクワ開催のため20万ドル(現在のレートで約2250万円)を投じたアガラロフ氏は昨年のインタビューで、13年に息子と共にラスベガスに滞在していたトランプ氏を訪問、コンテストが開催された同年11月にモスクワで同氏を迎えたと語った。トランプ氏はエミン氏のミュージック・ビデオの1つに、トレードマークの「お前はクビだ」と言いつつ登場することに合意したこともある。

  アガラロフ氏はアゼルバイジャンのバクーに生まれ、1980年代にモスクワに移住。プーチン大統領が出席した「東方経済フォーラム」の開催会場となるウラジオストクの大学キャンパスを2012年に建設したほか、18年のFIFAワールドカップ・ロシア大会に向けたスタジアム建設業者にも選ばれている。

原題:Email Chain Turns Focus to Trump’s Miss Universe Ally in Moscow(抜粋)

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