7月第3週(18日-21日)の債券市場では長期金利の低下が予想されている。日本と欧州の金融政策決定会合を控える中、金融緩和策からの出口戦略について、物価見通しの引き下げが予想されてている日本銀行の遅れが目立つとの見方から、円債に買い圧力が掛かりやすいことが背景にある。

  長期金利の指標となる新発10年物347回債利回りは11日に海外金利の上昇に連れて0.095%まで上昇した。12日の日銀国債買い入れオペで残存期間3年超5年以下の買い入れが増額されると、金利上昇圧力は徐々に抑えられ、14日には0.075%まで買い戻された。

  メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジストは、「欧州中央銀行(ECB)会合で金融緩和策からの出口に言及があれば、海外主導の金利上昇圧力が警戒される」と指摘。ただ、「日銀の決定会合では物価見通しの引き下げが見込まれており、出口がすごく遠のくという印象になりやすい。日銀の出口が海外と比べて遅れているとの見方は根強く、金利上昇を抑える姿勢の方が意識される」とみている。

日欧金融政策

  ECBは20日に政策委員会を開く。ドラギECB総裁が先月27日に「デフレ圧力はリフレの力に置き換わった」と発言したことをきっかけに、緩和策からの出口戦略が意識されやすくなっており、会合後の記者会見での発言が注目されている。

ドラギ総裁の発言内容はこちらをご覧ください。

  一方、日銀は19、20日の日程で金融政策決定会合を開催する。ブルームバーグがエコノミスト43人を対象に7-12日に実施した調査によると、全員が政策の現状維持を予想した。今回の会合では新たな消費者物価前年比の見通し(政策委員の中央値)が示される。4月時点の見通しは2017年度1.4%上昇、18年度1.7%上昇。物価目標の2%に達するのは「18年度ごろ」との見通しは据え置かれた。

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市場関係者の見方

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◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト

  • 今月は主要年限の入札がほぼ終了しており、需給的には問題ない
  • 日銀会合は現状維持の見通しで、イールドカーブコントロールを続けてじっくりと物価上昇を待つしかない
  • 長期金利の予想レンジは0.06~0.10%

◎パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長

  • 18日の日銀オペで5-10年がもう一回5000億円で打たれれば、新発債がほぼ日銀に吸収され金利低下がみえてくる。10年債利回りが0.1%近くで推移しているので減額は流れ的にやりづらい
  • 増額してから従来より合計1000億円多く買い入れているので、どこかで需給に効いてくるはず
  • 長期金利の予想レンジは0.05~0.10%

◎メリルリンチ日本証券の大崎秀一チーフ金利ストラテジスト

  • ECB会合、出口は織り込ませながら進める必要あり小出しにしてくる可能性。金利上昇バイアスになりやすい
  • 10年債は0.11%の金利上限示され売りは限定的だが、金利を押し下げてまで買っていく理由も今のところない
  • 長期金利の予想レンジは0.07~0.105%

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