7月3週(18-21日)の日本株相場は、週後半にかけて一段高が見込まれている。世界景気が順調に拡大する中、グローバル景気に敏感な企業の業績期待が高まり、業績対比での株価の割安感が意識されやすい。日経平均株価は年初来高値2万318円を上抜く可能性がある。  

  20日の安川電機を皮切りに大手企業の4-6月期決算の発表が始まる。同期のドル・円相場の平均は1ドル=111円台。自動車など製造業を中心に前提為替がこれより円高な企業が多く、業績は会社計画比で強含んでいるとみられる。大和住銀投信投資顧問・経済調査部の門司総一郎部長は、今後は「業績上振れ報道や会社側の業績計画引き上げなどが相次ぎ、上昇に弾みが付きやすい」とみる。

  米国では金融大手の決算発表が本格化し、18日にゴールドマン・サックス・グループやバンク・オブ・アメリカ、19日にモルガン・スタンレーが予定している。自己資本規制の緩和を受けて自社株買いを公表する企業もあるとみられ、日本の金融株にも好影響を与えそうだ。

  先進諸国の金融政策が現状維持されるとの見方も買い安心感を誘う。19、20日に金融政策決定会合を開く日本銀行は展望リポートで物価目標の達成時期を先送りするとの観測があり、緩和的な金融政策を続けざるを得ない状況だ。欧州中央銀行(ECB)は20日に理事会を開催する。ドラギECB総裁は6月27日の会見が金融政策の正常化に意欲を見せたと受け止められ、ドイツを中心に欧州諸国の長期金利が急上昇したことから、今回は「緩和縮小を慎重に行う意向を強調し、火消しに入る」としんきんアセットマネジメント投信の鈴木和仁シニアストラテジストはみる。第2週の日経平均は週間で1%高の2万118円86銭と3週ぶりに反発した。

  • ≪市場関係者の見方≫

大和住銀投信投資顧問・経済調査部の門司総一郎部長
  「欧州経済は良好、米国は6月の雇用統計やISM製造業景況指数が良く悲観論が後退、新興国はブラジル、インド、東南アジア諸国連合(ASEAN)を中心に高成長が続き、世界経済は想定より良い。四半期決算はアナリストらが見込む主力企業全体で10ー15%の通期経常増益に沿ったものとなる見込み。日経平均は2万円を下値に水準を切り上げ、四半期決算発表が一巡する8月上旬までに2万1000円を超えるだろう」

東京海上アセットマネジメントの橋爪幸治シニアファンドマネジャー
  「ECBのドラギ総裁はテーパリングの道筋をつくろうとしており、20日の理事会でも方向性を逆にすることはないとみる。欧米の量的緩和縮小局面ではこれまで株式に流れていた資金に影響が出てくる可能性がある。日本株の上値を買う主体の海外投資家は買いを手控えやすい。期初のガイダンスが弱過ぎた自動車株は現在の割安水準で放置されることはないだろう。業績好調な半導体関連も買われる」

しんきんアセットマネジメント投信の鈴木和仁シニアストラテジスト
  「20日公表の日銀の展望リポートで2%の物価目標達成時期が18年度から先送りされると予想、緩和的な金融政策継続は安心材料だ。四半期決算の発表が本格化する第4週以降まで様子見という向きは多いとみられ、仮に安川電が好決算を発表してもその好影響はあまり波及しない。日経平均の想定レンジは2万-2万500円、ドル高・円安は11日の114円台半ばで目先は一巡したとみており、上値を抑制する」

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE