東京外国為替市場ではドル・円相場が1ドル=113円台前半で推移。消費者物価指数(CPI)など注目の米経済指標を見極めようとの姿勢が広がり、小幅な値動きとなった。朝方は堅調な株価を背景に全般的に円売りが優勢だった。

  ドル・円は午後4時6分現在、前日比0.1%安の113円18銭。朝方には豪ドル・円などクロス取引での円売りや仲値でのドル買い需要を背景に、一時113円58銭と2営業日ぶりの水準まで上昇。午後は米長期金利とともに伸び悩み、113円15銭まで下げる場面が見られた。

  ソシエテ・ジェネラル銀行の鈴木恭輔為替資金営業部長は、ややリスクオン的な動きでドル・円単体も底堅い印象だが、急激な米利上げはないとの見方が広がり、「トランプ政権の政策が進まないリスクがある中で、なかなか米金利も上がりづらい」と指摘。今夜の米指標が全て強くても、「ドル・円が114円台での定着は難しいのではないか」と話した。

  ブルームバーグ調査によると、14日発表の6月の米消費者物価指数(CPI)で食品・エネルギーを除くコア指数は前月比0.2%上昇、前年同月比1.7%上昇が予想されている。5月はそれぞれ0.1%、1.7%の上昇で3カ月連続で市場予想を下回った。

  イエレンFRB議長は今週の議会証言でインフレの不確実性に言及し、「向こう数カ月、インフレ動向を注視していく」と述べた。13日発表の6月の生産者物価指数(PPI)は前年同月比2%上昇と市場予想を上回った一方、食品とエネルギーを除くコア指数の伸び率は前年同月比1.9%と5月の(2.1%)から予想以上に鈍化した。

  三井住友銀行の山下えつ子チーフエコノミスト(ニューヨーク在勤)は、CPIが再び予想を下回れば、「利上げももちろんいつになるか分からないし、バランスシート縮小も開始すると言えないのではないかという思惑が当然働く」と指摘。ドル・円は「113円から下が今度はレンジになるような、そこそこ大きな反応が出る」と予想した。

  一方、大和証券の亀岡裕次チーフ為替アナリストは、CPIが下振れした場合でも、米国株が上昇すれば米金利低下・ドル安の影響を相殺するとし、「ドル・円は大きく変動しない」との見方を示した。

  その他の米指標は、6月の小売売上高が前月比0.1%増(5月は0.3%減)の予想。6月の鉱工業生産指数は前月比0.3%上昇(5月横ばい)、7月のミシガン大消費者マインド指数速報値は6月(95.1)とほぼ変わらずの95が見込まれている。

  13日の米株式相場は上昇。米国の利上げが緩やかなペースになるとの見方からダウ工業株30種平均は過去最高値を更新した。14日の東京株式相場は小幅高で取引を終えた。一方、米10年債利回りは時間外取引で1bp低下の2.33%前後。一時2.36%付近まで上げた後伸び悩んでいる。

  豪ドル・円相場は一時1豪ドル=87円93銭付近まで上昇し、2月以来の高値を更新。鉄鉱石価格の反発基調やリスク選好の動きを背景に豪ドル買いが続き、対ドルでは1豪ドル=0.7759ドルと昨年11月以来の高値を付けた。

  ユーロ・円相場は1ユーロ=129円台前半から一時129円52銭まで上昇。ユーロ・ドル相場は1ユーロ=1.1400ドル前後から小じっかりとなった。

  ソシエテ・ジェネラル銀の鈴木氏は、米指標をこなすと市場の関心は来週木曜のECB理事会にシフトするとし、「ドル・円単体では買いづらい中で、日欧の政策の方向性によるユーロ・円の上昇や株価が堅調な中でのカナダドル、豪ドルと言った対資源国通貨のクロス円が相場の支えとなりそう」と予想した。 

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE