トランプ米大統領の2013年のモスクワ滞在時間は、現在騒がれる疑惑や捜査を考えると、わずか2晩と驚くほど短かった。同地の「ミス・ユニバース」大会出席のための訪問だったが、この短い週末の滞在期間に起きた出来事が約4年後の現在に跳ね返っている。昨年の大統領選でのトランプ陣営とロシアの関係が捜査される中、モスクワのこの週末でのあらゆる瞬間が大きな意味を持ち得る。

モスクワのミス・ユニバース大会でのトランプ氏(左)とアラス・アガラロフ氏(中央)、エミン・アガラロフ氏(2013年11月9日)
モスクワのミス・ユニバース大会でのトランプ氏(左)とアラス・アガラロフ氏(中央)、エミン・アガラロフ氏(2013年11月9日)
Photographer: Victor Boyko/Getty Images

  トランプ氏はその週末、大会主催者アラス・アガラロフ氏の息子でポップスター、エミン・アガラロフ氏と親交を深めた。このエミン・アガラロフ氏こそ、自身のマネージャーのロブ・ゴールドストーン氏に指示し、トランプ大統領の長男トランプ・ジュニア氏とロシア人弁護士との昨年の会談をセッティングした張本人だった。トランプ・ジュニア氏は11日、ゴールドストーン氏とのメールのやりとりを公開した。ゴールドストーン氏はミス・ユニバース大会の広報も担当していた。

  トランプ氏は夜中過ぎまで続いたパーティーのほか、ロシアの金融エリートと会談する機会も得た。モスクワの日本食レストラン「ノブ」で10数人の企業幹部や財界首脳と会食、ミス・ユニバース大会のスポンサーだったロシア最大の銀行スベルバンクの経営トップらも同席した。

  この会食をアレンジしたのは、プーチン大統領の盟友でもあるスベルバンクのヘルマン・グレフ最高経営責任者(CEO)とアラス・アガラロフ氏。この会談についてはブルームバーグが昨年12月に報じている。アラス・アガラロフ氏はロシア最大級の不動産会社クロッカス・グループの創業者。

  トランプ氏の宿泊先での行動も議論を呼んでいる。アラス・アガラロフ氏によれば、トランプ氏はその週末、モスクワのリッツカールトンホテルに宿泊した。元英国秘密情報部員が作成した悪名高いトランプ「調査書」には、トランプ氏が同ホテルの要人用特別室でコールガールとらんちき騒ぎしたという未確認だが広く報じられた情報が含まれている。トランプ大統領はこの情報を否定している。

  ワシントンのシンクタンク、ウッドロー・ウィルソン国際センタ ー・ケナン研究所のウィリアム・ポメランズ副所長は、13年の「モスクワでの週末は、トランプファミリーがさまざまなロシアの権益とコネクションを持つ重要な機会になったようだ」と指摘。大した意味を持たないように思われるコネクションでさえ、大統領には「振り払うことができないしがらみ」になっていると説明した。

原題:Trump’s Two Nights of Parties in Moscow Reverberate Years Later(抜粋)

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