セントラルバンカーが相次ぎタカ派に転じ、世界の市場を揺るがしている。だがアジアではまだハト派ばかりだ。

  アジア太平洋地域の主要6カ国の中央銀行は、欧米勢に追随し利上げする意向をまだ示していない。この6カ国で世界の国内総生産(GDP)全体の3分の1近くを占める。

  日本銀行が大規模な資産購入プログラムを近く大きく変えると見込んでいる市場関係者はほとんどいない。中国人民銀行は融資ブームの抑制を図っているものの、景気支援モードのままだ。インド準備銀行は成長鈍化とインフレ率が記録的な低水準となったことで、利下げを再開させそうだ。韓国とインドネシア、オーストラリアの中銀はしっかりと金融政策を据え置いている。

  カナダ中銀は12日に7年ぶりの利上げを発表。だが韓国中銀は13日、政策金利を据え置くとともに、利上げを急がないことを明確に示した。13日にはマレーシア中銀も政策金利を据え置いた。ベトナム国家銀行は先週、予想外の利下げを発表した。

  HSBCホールディングスのアジア経済調査共同責任者フレデリック・ニューマン氏(香港在勤)はブルームバーグラジオの番組で、「明白な引き締めシグナルを送っている中銀はアジアには1行もない」と述べた。

政策の乖離から同期へ

  もちろん、こうしたハト派スタンスが急に変わる可能性もある。世界経済は2010年以来最も強い同時好況で、アジアの輸出は6年ぶりのハイペースで伸びている。国際通貨基金(IMF)はアジア太平洋地域の経済が今年5.5%成長になると予想し、世界で最も成長率が高くなると見込んでいる。

  メイバンク・キムエン・リサーチのシニアエコノミスト、チュア・ハク・ビン氏(シンガポール在勤)は、「世界同時回復がアジアの成長見通しを改善させており、地域の中銀に政策の正常化に着手するよう促すだろう」と述べ、「政策は乖離(かいり)から同期にゆっくりと変化していく」と予想した。引き締めに向かう可能性のあるアジアの中銀はフィリピンとシンガポール、それにインドネシアも続くかもしれない。

原題:Central Banks’ Hawkish Turn Swerves Clear of Asia, For Now (1)(抜粋)

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