中国経済の規模と急成長は、中国が時間をかけ世界の金融・経済ランキングを駆け上がろうとしていることを意味している。

  だが少なくとも政治・規制構造の抜本的改革がなければ、中国人民元は真の意味でドルのライバルには決してなり得ないとみるベテランの中国ウオッチャーもいる。国際通貨基金(IMF)で中国部門の責任者を務め、現在は米コーネル大学で教えるエスワール・プラサド氏だ。そして中国共産党は政治体制を変える議論はしないと明確にしている。

  中国は今や世界2位の経済大国で、世界最大の貿易立国だ。これは人民元の利用が拡大していく公算が大きいことを意味する。外国人投資家は今月始まった中国本土と香港の債券市場を結ぶ「債券接続」などの市場開放の取り組みを歓迎している。だがそれでも、自由に資金を引き揚げることができるかという点や本土への投資の安全性で懸念は根強い。

プラサド氏
プラサド氏
Photographer: Andrew Toth/Getty Images

  人民元の台頭を議論した著書もあるプラサド氏は「中国の発展の遅れている変動の激しい、規制の緩い金融市場が人民元の準備通貨としての優位性を抑制するだろう」と話す。

  セーフヘイブン(安全な避難先)としてのステータスを得ているのは、ドルや円、スイス・フランといった数少ない通貨だ。人民元がドルに並ぶセーフヘイブン通貨と見なされるためには改革が必要だが、そうした改革を共産党が容認することはないとプラサド氏はみている。

  「法の支配や独立した中央銀行、それに政府に対する制度化されたチェック・アンド・バランスのシステムがなければ、セーフヘイブン通貨となる可能性は小さい。中国の司法・制度・政治構造に対するこうした変革は外国人投資家の信頼を育むために必要であり、セーフヘイブン通貨にとっての決定的な特性だ。今の中国指導部はこうした改革はあり得ないと極めてはっきりさせている」とプラサド氏は語った。

原題:Yuan May Rival Dollar Only With Unlikely China Political Changes(抜粋)

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