東京外国為替市場のドル・円相場は下落。朝方に買われた後、午後にかけて売りに押された。前日のイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の下院金融委員会での証言がややハト派的と受け止められたことや米金利の低下基調が重しとなった。

  13日午後3時25分現在のドル・円は前日比0.2%安の1ドル=113円00銭。朝方に113円53銭まで上昇した後、午後に入って一時112円86銭まで下げ、約1週間ぶりの安値を付けた。主要10通貨に対するドルの動きを示すブルームバーグ・ドルスポット指数は0.2%低下。

  JPモルガン・チェース銀行の棚瀬順哉為替調査部長は、「ドル・円はFRBの金融政策見通しと米金利動向に追随する形。イエレン議長の議会証言は、6月米連邦公開市場委員会(FOMC)の時と大きく変わらず。ただインフレに慎重な見方を示したことで若干ハト派的と受け止められた」と説明。「もともと9月にバランスシート縮小開始を発表して、12月に追加利上げを予想していたが、それを変えるものではなかった」と述べた。

  米長期金利は13日の時間外取引で一時1ベーシスポイント(bp)上昇の2.32%程度まで上昇した後、2.30%程度まで下げる場面があった。

  13日の米国では、イエレン議長が上院銀行委員会で証言するほか、ブレイナードFRB理事が講演する。

  米インフレ指標では13日に6月の生産者物価指数(PPI)、14日に6月の消費者物価指数(CPI)が発表される。ブルームバーグ調査によると、PPIは前月比横ばい、前年比1.9%上昇、CPIは前月比0.1%上昇、前年比1.7%上昇が見込まれている。

  野村証券の池田雄之輔チーフ為替ストラテジストは、13日付リポートで、「市場は米国のインフレ動向を注視しており、6月のCPIへの反応が大きくなるリスクには警戒を要する」と指摘。CPIが失望的なら、6月14日のFOMC後の上昇スピードの調整目安として、フィボナッチ38.2%戻しの112円33銭も念頭に置いておく必要があると分析。逆にCPIが上振れとなれば、114円台の回復は容易だろうと予想している。

  カナダドルは米ドルに対して上昇。同時刻現在、1米ドル=1.2735カナダドル。前日には一時1.2681カナダドルと、昨年6月以来のカナダドル高値を付けた。カナダ銀行(中央銀行)が12日、政策金利を0.25%ポイント引き上げ、0.75%とすると決定したことが支援材料となった。利上げは2010年以来。

  JPモルガン・チェース銀の棚瀬氏は、「原油価格が戻したことがサポート要因となり、カナダ中銀が利上げした。完全に利上げが織り込まれていたわけではなかったのでいったんカナダドルは上昇」と解説。「カナダ中銀は四半期ごとに、25bpずつ利上げを行うと予想している。ただ、原油価格の動向次第だと思う」と語った。

  ポンド・ドル相場は同時刻現在、0.2%高の1ポンド=1.2912ドル。ユーロ・ドル相場は0.3%高の1ユーロ=1.1445ドル前後で推移している。

  三井住友信託銀の矢萩氏は、カナダ銀行の利上げに関連して、「欧州中央銀行(ECB)も同じ」と指摘。「イングランド銀行(英中銀)も利上げの方向。日本銀行もいつまでも緩和をしているわけにいかないという議論も出始めている中、相対的にドルは弱くなりがち」と述べた。

  イングランド銀のブロードベント副総裁は、プレス・アンド・ジャーナル(P&J)紙とのインタビューで、利上げを支持する考えにはまだなっていないと発言。一方で、同行のマカファティ委員は、英紙タイムズとのインタビューで、8月に0.25%ポイントの利上げを支持したいとの考えを示した。

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