米債券市場にボラティリティー(変動性)が間もなく戻ってくる。少なくともトレーダー1人はそう読んで賭けに出た。

  オプション市場での動きは、米国債相場が向こう2週間弱で急騰か急落するとの確信を示唆している。この賭けは異例に大規模で、利回りの方向性ではなく、ここ数カ月見られなかった乱高下が再び市場を襲うかが勝敗の鍵を握る。

  ブルームバーグ集計データと観察された取引水準によると、誰かが11日に10年物の米国債先物を対象にアウト・オブ・ザ・マネーのプット(売る権利)とコール(買う権利)のオプションを同時に買う1000万ドル(約11億3200万円)近い取引を行った。ストラングルと呼ばれるこのポジションは市場の注目を集めた。CMEグループのデータによると、約6万3500のブロック取引が絡んだからだ。これだけの規模のストラングルはまれで、前例がない可能性もあると、市場に詳しいトレーダーらは述べた。

  今月21日が期限の同ストラングルは12日、幸先良くみえた。イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言を受け、米10年債利回りが一時6ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)下げたからだ。だが、カナダの中央銀行が予想通り利上げすると、利回り低下は止まった。

  賭けが成功するには、小さな変動ではだめだ。ブルームバーグ集計データによると、オプション取引にかかったコストを回収するだけでも、米10年債利回りは2.38%前後の水準から10bp程度上昇か低下する必要がある。それをいったんクリアすれば、利益に上限はない。例えば、そこから25bpどちらに動いても、約5000万ドルもうかる。これは利回りが年初来の高水準ないし低水準に近づくことを意味する。

  向こう1週間はボラティリティー復活の機会に恵まれている。米国では政治劇以外に、労働省が14日に6月の消費者物価指数を発表し、米当局の追加利上げやバランスシート縮小のタイミングに影響しかねない。また、ストラングルの満期の前日である20日には欧州中央銀行(ECB )が金融政策を発表する。

原題:Bond Trader Bets $10 Million That Volatility Revival Is Imminent(抜粋)

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