ブラジルの過去最大級の汚職捜査で新たにルラ元大統領に有罪判決が下ったことを、市場関係者はこの上なく喜んでいる。

  汚職の罪で9年半の禁錮刑が言い渡されたことで、ポピュリスト(大衆迎合主義)のリーダーであるルラ氏が来年の大統領選に返り咲きを図るチャンスが劇的に低下したためだ。市場に友好的なテメル現大統領が推進する年金などの改革にルラ氏が反対すると投資家は予想していた。

  2003年から11年に大統領を務めブラジル史上屈指の人気を誇ったルラ氏(71)は、収賄とマネーロンダリング(資金洗浄)で有罪判決を受けた。ただ、18年の大統領選に向けた世論調査の大部分でリードし、ダータフォリャの先月の調査で支持率は30%と、最も近いライバルの2倍強だった。

  ブラジル・レアルはニューヨーク時間12日午後4時20分(日本時間13日午前5時20分)現在、1.4%高の1ドル=3.2087レアルと、5月17日以来の高値。主要株価指数は2週間ぶりの大幅高。JPモルガン・チェースの指数によれば、ブラジル国債のリスクプレミアムは3ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)低下し、273bp。

  INGの中南米担当チーフエコノミスト、グスタボ・ランゲル氏は「年金改革が承認されなければ、ブラジルの債務は急速に膨張する」と指摘。「ルラ氏は反対しているようだが、仮に当選すれば極めて高い財政リスクをもたらすだろう」と述べた。ランゲル氏は年末までレアル相場が3.2ー3.3レアルの間で推移すると予想する一方、年金改革が承認された場合は1ドルが3レアルを下回るとの見方も示した。

原題:Wall Street Cheers as Brazil Judge Cripples Lula’s Comeback (1)(抜粋)

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