カジュアル服チェーンの「ユニクロ」ブランドを展開するファーストリテイリングは、3-5月期の純利益が前年同期比4.5%減の229億円だったと発表した。配当金の受け取りに関する方針の変更で税金費用を引き当てたことなどが影響した。
  
  ブルームバーグが集計したアナリスト4人の同期の純利益予想平均は283億円だった。同社は純利益の減少について、海外子会社からの配当受け取りに関する方針を変更したため、将来受け取る可能性のある配当に対しての税金費用を追加で65億円引き当てたと説明。岡﨑健最高財務責任者(CFO)は都内で会見し、この税費用の引き当てを除けば「実質は増益」と述べた。

  同期の売上高は8.9%増の4605億円、営業利益は7.5%増の500億円だった。国内ユニクロ事業の営業利益は、為替が円安傾向となり原価率が上昇したことや販管費の増加などにより18%減の238億円となった。

  岡﨑氏は国内の物流費について、昨年ぐらいから「趨勢として上がっている」と述べた。値上がりを見越して物流の内製化などの改革に取り組んでおり、来期(2018年8月期)以降は物流費が上がっても対応できるようにしたいとした。人件費に関しても時給の上昇が「全国のいろんな所で見られる」とし、人不足の影響を受けるなかで経営の安定化を図っていく必要があると話した。

  みずほ証券の高橋俊雄シニアアナリストはリポートで、国内ユニクロ事業の落ち込みが大きかったため全体の営業利益は7.5%増と、14%増としていた同氏の予想を下回ったが、「これは前年ハードルの高さによるものであり、海外ユニクロ事業を中心に業績は順調」なため「大きなサプライズはない」と指摘した。

東南アジアなどで利益倍増

  海外ユニクロ事業の営業利益は51%増の193億円。特に東南アジア・オセアニア地区、韓国では営業利益が倍増した。東南アジア・オセアニア地区では現地の気候に合ったTシャツやポロシャツなどのスポーツ商品群が好調だったことが寄与した。韓国では経営改革により粗利益率が改善し、経費も削減できたという。

  同社は2月、消費者の声に迅速に対応するため、ユニクロブランドの本社を有明の物流センター(東京・江東区)と同じビルの1フロアに移転。ITを生かして商品企画から物流まで迅速に情報を共有することで、「情報製造小売業」への転換を図っている。国内ユニクロ事業のネット通販での売上高は17%増の123億円となり、売り上げ構成比は5.5%から6.2%に上昇した。

  今期(17年8月期)の業績予想は従来の水準に据え置いた。6-8月期には、シーズン末の在庫処分が増えることで値引率が計画を上回り、国内ユニクロ事業は若干の減益となる見通し。海外ユニクロ事業では、同期も東南アジア・オセアニア地区や韓国で好調な業績が続くほか、米国でも赤字幅が大幅に縮小し、大幅な増収増益となる見込みだとしている。

  岡﨑氏は通期業績の見通しは変更していないものの、足元では計画に対して「強含み」との見方を示した。同社は今期の営業利益を前期比38%増の1750億円、純利益は倍増し1000億円になると予想している。

  同社株価は決算発表前に前日比0.6%安の3万6220円で13日の取引を終えた。

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