大きな動きとは言えず長続きもしなかったが、それでも米株式市場は政治に完全に耳をふさいではいないことを強気派に気付かせるには十分だった。

  11日の米株式市場ではニューヨーク時間午前11時(日本時間12日午前0時)すぎ、ダウ工業株30種平均が20分間で約160ドルの値を消した。S&P500種株価指数先物の売買高は3倍に膨らんだ。きっかけは、トランプ米大統領の長男のドナルド・トランプ・ジュニア氏による電子メールの公表で、その中にはロシア政府が米大統領選でトランプ陣営を支持し、クリントン元国務長官にダメージを与えようとしていたことを示唆する内容が含まれていた。

  トランプ大統領の政治的命運に関する話題が臨界点に達したと受け止められれば、相場は依然として波乱に見舞われることが明らかに示されたのは数週間ぶり。コミー前連邦捜査局(FBI)長官のメモの報道を受けて5月17日にダウ平均が373ドル安を記録して以来、こうした動揺はほとんど見られなくなっていた。

  ロバート・W.ベアードの機関投資家株式セールストレーダー兼マネジングディレクターのマイケル・アントネリ氏は、「市場がワシントンの動きに対応する必要が増えるほど、市場がくじける状況を目にすることが増えるだろう」と述べた。

  もっとも、11日の相場へのダメージは、5月の急落の数分の1であり、テクノロジー株のバリュエーション懸念が浮上した6月9日以降繰り返された市場への衝撃に比べれば見劣りする。また、投資家は差し当たり、イエレン連邦準備制度理事会(FRB)議長の今週の議会証言と企業の決算発表シーズン開始に注目している。

  ビスポーク・インベストメント・グループのマクロストラテジスト、ジョージ・ペアクス氏は「トランプ政権が弱体化すれば、重要な税制改革の確率が低下するが、今の相場にそれが大いに反映されているのか私には分からない」と述べた。
  

原題:Market Tuned to Fed Needs Half Hour to Digest Trump Drama (1)(抜粋)

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