東京外国為替市場では、ドル・円相場が3月以来の水準となる1ドル=114円台半ばまで上昇。日本と欧米の金融政策の方向性の違いが意識される中、円売りの流れが続き、クロス円(ドル以外の通貨の対円相場)も上昇した。

  ドル・円は11日午後4時21分現在、前日比0.3%高の114円38銭。114円台前半でもみ合った後、午後に5月高値の114円37銭を上抜け、一時114円48銭と3月15日以来の高値を付けた。豪ドル・円相場は3月以来となる1豪ドル=87円台へ上昇。ユーロ・円相場は1ユーロ=130円42銭と昨年2月以来の高値を更新した。

  ソシエテ・ジェネラル銀行の鈴木恭輔為替資金営業部長は、「今まで米国の利上げやバランスシートの縮小にかなり慎重に見過ぎたところが揺り戻しているような雰囲気がある」と指摘。「金融政策の方向性、速度感でいくと消去法的に円が売られやすい」と話した。  

  米10年債利回りは11日の時間外取引で2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)高い2.39%まで上昇。日本株は午後に入り上げ幅を拡大し、日経平均は100円を超える上昇となった。

  FXプライムbyGMOの柳沢浩チーフアナリストは、「ドル・円は5月高値を上抜けたので、このまま115円を目指す動きになりそうだ」とし、「米10年債利回りが今夜2.40%を上抜けるとその可能性が高まる」と話した。

  米国時間には、米連邦準備制度理事会(FRB)のブレイナード理事がニューヨークで講演する。ソニーフィナンシャルホールディングスの石川久美子為替アナリストは、「もともとハト派でインフレ鈍化を気にしている人。米利上げに前向きな発言をすれば、市場もタカ派に傾き、ドル高要因になり、115円付近まで上がってもおかしくない」とみている。

  サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁は11日、シドニーで講演し、年内のバランスシート縮小開始は理にかなうとし、年内にさらに1回の利上げ予想は妥当にみえると述べた。12、13日にはイエレンFRB議長の議会証言が予定されている。

  一方、欧州ではこの日、イングランド銀行のブロードベント副総裁と同チーフエコノミストのホールデン氏が講演する。ホールデン氏は6月21日の講演で、政策引き締めを遅らせ過ぎることのリスクが高まっているとの認識を示すとともに、6月の利上げを支持することも検討したと明らかにした。

  ポンド・円相場は1ポンド=146円台半ばと前週末に付けた5月以来の高値付近。カナダドル・円相場は昨年12月以来の高値を更新している。ブルームバーグ調査では、エコノミスト31人中22人がカナダ中銀が12日の会合で政策金利を0.5%から0.75%に引き上げると予想。利上げすれば2010年以来となる。

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