レストランはなじみ客に無料でちょっとした追加サービスを提供する。ゴールドマン・サックス・グループもそうするべきだ。

  ゴールドマンのトレーディング部門が1-3月(第1四半期)に10年以上で最悪の業績となった後、部門共同責任者のパブロ・サラーム氏は部門メンバーらとの対話集会でこう説いた。この集会に参加したか社内で配布されたそのビデオを見た関係者らが明らかにした。

  優良顧客が複数のチームからさまざまな料金を請求されることはよくある。チームが互いに協力していないためだ。また、分かっていないトレーダーが小さ過ぎる取引だと考えて、顧客の要望を無視してしまうこともある。サラーム氏(51)はこのように語ったという。

  同氏はこうした問題を、レストランの常連客がステーキにバターを載せてほしいと頼んでけちな料理人に拒否される話にたとえた。「いいからバターを載せてあげなさい(Just Add Butter)」とサラーム氏はチームメンバーらに訴えた。

  これはすぐに、チームのスローガンと内輪の冗談の両方になり、この3語を白地で染め抜いた青い野球帽が配られた。このモットーを喚起する帽子は今や、マンハッタンのゴールドマン本社の4階と5階に陣取るトレーディングデスクのあちこちで見られると、関係者の1人が述べた。

  サラーム氏のチームを鼓舞する言葉は1970年代にシニアパートナーだったグスタフ・レビー氏が打ち出した「長期的に貪欲であれ」という哲学をほうふつとさせる。レビー氏は同僚たちに、すぐ手に入る利益より顧客との長続きする関係を大切にするように説いた。

  サラーム氏の訴えはゴールドマンの債券・通貨・商品トレーディング収入がアナリスト予想を下回った後に開かれたパートナーとマネジングディレクターの対話集会でのものだった。1時間余りをかけた集会は通常はより格式ばったものになるが、今回は円卓会議の形でゴールドマンの問題点を話し合ったと関係者らが述べた。

  サラーム氏はトレーダーらが顧客を総体的に見るのを忘れ、顧客の会社全体との関係を無視して特定の取引ばかりに注目することを戒めた。レストランのたとえと同様に、良い対応を受けた顧客はまた同じ店を訪れるものだと同氏は述べた。

  ゴールドマンは来週、4-6月(第2四半期)決算を発表する。ブルームバーグが集計したアナリストの平均予想では、トレーディング収入は16%減の31億ドル(約3540億円)前後となるもよう。

原題:Goldman’s Fix for Trading Desk’s Dysfunction: ‘Just Add Butter’(抜粋)

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