11日の東京株式相場は続伸。為替が4カ月ぶりのドル高・円安水準に振れたほか、米国テクノロジー株の上昇が好感された。電機や精密機器など輸出株、繊維や化学など素材株が高い。前日売られたKDDIなど情報・通信株には見直し買いが入った。

  TOPIXの終値は前日比11.66ポイント(0.7%)高の1627.14、日経平均株価は114円50銭(0.6%)高の2万195円48銭。TOPIXは年初来高値を更新し、2015年8月19日以来の水準。

  T&Dアセットマネジメントの神谷尚志チーフ・エコノミストは、「ISM製造業景況指数の伸びに続き、雇用統計でも米国経済の堅調さを確認し、米金融当局の政策は揺るがないという見方から為替はドル高・円安基調にある」とし、「国内企業業績の改善が期待される」と話した。

東証内
東証内
Photographer: Junko Kimura/Bloomberg

  きょうのドル・円相場は午後に入り1ドル=114円40銭台と、3月15日以来のドル高・円安水準に振れた。前日の日本株終了時は114円16銭。米サンフランシスコ連銀のウィリアムズ総裁は11日、シドニーでの質疑応答で年内さらに1回の利上げ予想は妥当に見えると発言したほか、直近の米雇用統計は景気の強さを示すなどと述べた。

  神谷氏は、「米金融当局が米経済に自信があるということを確認した」と言う。また、大和証券投資戦略部の三宅一弘チーフストラテジストは、「会社想定の1ドル=110円より若干円安で推移し、115円程度なら今期の税引き後利益の増益率は現在の10%から約15%にアップする」と分析。月末にかけ本格化する国内企業業績に対する期待の広がりを指摘した。

  この日の日本株はTOPIXが小幅高、日経平均は小幅安とまちまちで始まったが、円安傾向から堅調さを増し、午後はじりじりと上げ幅を広げた。電機など輸出株は、前日の米テクノロジー株の上昇も支援材料。半導体株の指標となるフィラデルフィア半導体指数(SOX)は、10日の取引で1.2%高だった。SMBCフレンド証券投資情報部の松野利彦チーフストラテジストは、「中国の半導体への需要はいまだに旺盛で、半導体株は恩恵を受けている」とみる。

  ただ、米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長の議会証言を控え、東証1部の売買高は6月26日以来、およそ2週間ぶりに15億株を割り込むなど低調。大和証の三宅氏は、「米金融緩和の縮小が経済に与える影響を懸念する見方も多く、12日のイエレン議長の発言で賃金の伸びの弱さをどうみているのかなど、確認する必要がある」としている。

  東証1部33業種は空運、情報・通信、電機、繊維、精密機器、金属製品、ゴム製品、ガラス・土石製品、化学など29業種が上昇。通信は、ゴールドマン・サックス証券が前日の下落の要因となったKDDIの新料金プランについて、端末購入補助金負担をしない代わりに料金を低く設定したもので、KDDIの利益水準を押し下げず、業界への影響は軽微との見方を示した。半面、電気・ガス、その他金融、水産・農林の3業種は下落し、鉄鋼は変わらず。

  売買代金上位では、東芝の東証2部降格に伴う日経平均の臨時入れ替えで、新規採用されたセイコーエプソン、最新作映画「スパイダーマン」が好調なソニーが高い。アナリストの間で血友病薬のリスクが後退したとみられた中外製薬は大幅高。一方、オランダの運輸当局による調査で、高い排ガス水準が明らかになったスズキは安い。パチンコの出玉の上限引き下げ報道を受け、セガサミーホールディングス、平和などパチンコ銘柄が軒並み売られた。

  • 東証1部の売買高は14億3621万株。売買代金は2兆673億円と代金は3日以来の低水準
  • 上昇銘柄数は1494、下落は392
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