債券市場では長期金利が小幅上昇。この日に実施された5年債入札は順調な結果となったものの、海外金利の先高警戒感が根強いことに加えて、円安進行を受けて長期や超長期ゾーンが軟調となり、相場全体の重しとなった。

  11日の現物債市場で長期金利の指標となる新発10年物国債の347回債利回りは、日本相互証券が公表した前日午後3時時点の参照値より0.5ベーシスポイント(bp)高い0.095%で開始し、同水準での推移が続いた。7日は0.105%まで上昇したことを受け、日本銀行が長期ゾーンの国債買い入れオペを増額し、固定利回りで無制限に買い入れる「指し値オペ」を5カ月ぶりに発動したことで、いったん0.085%まで戻していたが、この日は0.10%に接近した。

  三菱UFJ国際投信の加藤章夫トレーディング部長は、「5年入札の結果自体は悪くないが、金利は全般的に上昇しており、ベアセンチメントが続いている」と説明。「日銀の金利上昇を止める意思が強いことはいったん確認されたものの、米長期金利が例えば2.5%に上昇した時に本当にそれが通じるかは程度問題で、まだまだ気は抜けない」と話した。

  長期国債先物市場で中心限月9月物は1銭安の149円76銭で開始し、午前に一時149円74銭まで下落した。午後は149円85銭まで上昇した後、やや伸び悩んで、結局1銭高の149円78銭で引けた。

  米国債市場で10年債利回りは10日の取引で前営業日比1bp低い2.37%に水準を切り下げていたが、この日の時間外取引では2.39%近くまで戻している。イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長は12日に議会で証言する。市場では、FRBのバランスシート縮小がいつ始まるのか手がかりが与えられるとの期待が広がっている。

5年債入札

  財務省が実施した5年利付国債入札結果によると、最低落札価格は100円66銭と、市場予想100円65銭を上回った。投資家需要の強弱を反映する応札倍率は4.85倍と前回の4.71倍から上昇し、2014年8月以来の高い水準となった。

過去の5年債入札の結果はこちらをご覧ください。

  パインブリッジ・インベストメンツ債券運用部の松川忠部長は、「5年債はカーブ上の割安感があり、超長期債を売りながらの応札でしっかりとした入札結果になった」と指摘。ただ、「10年債利回りが再び0.1%に接近して、5年ゾーンのオペ増額を催促するような相場になる中で、あすの日銀オペで増額がないとまた5年が売られる可能性もある」とし、「超長期ゾーンは残存10年超25年以下のオペを減額させつつ中期を増額する可能性が警戒されて売りが目立つ」と言う。

  この日は新発20年物の161回債利回りは1.5bp高い0.635%、新発30年物55回債利回りが1.5bp高い0.905%まで売られている。東京外国為替市場ではドル・円相場が上昇し、一時1ドル=114円48銭と3月以来の高値を付けた。

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