10日の日本株市場で、株価変動材料のあった銘柄の終値は次の通り。

  海運株:商船三井(9104)が前週末比5%高の356円、川崎汽船(9107)が2.9%高の281円、日本郵船(9101)が1.8%高の221円。3社は定期コンテナ船事業を統合する新会社「オーシャン・ネットワーク・エクスプレス・ホールディングス」を7日に設立した。このほか、中国国有の海運会社である中遠海運が香港のコンテナ海運会社、東方海外国際に約7180億円で買収する提案を行い、東方側が受け入れた。輸送能力で世界3位の海運会社が誕生する。ジェフリーズ証券は、コンテナ船業界の回復は緩やかなものにとどまっていたため、今回の買収提案は魅力的なものと好感されたと指摘した。海運は業種別指数の上昇率で33業種中1位。

  吉野家ホールディングス(9861):6.8%高の1964円。2017年3ー5月期の営業利益は前年同期比5倍の7億4800万円だった。新商品や原価低減効果などで主力の牛丼チェーン店「吉野家」の採算性が改善したほか、うどん店「はなまる」や持ち帰り寿司などの「京樽」の増収も寄与した。

  電通(4324):2.1%安の5130円。テレビ広告などの不振で6月の売上高は前年同月比13%減だった。ゴールドマン・サックス証券は、想定以下の売上高で回復には時間を要すると指摘。前年の伊勢志摩サミットの影響を除外しても一桁後半のマイナスと想定でき、4月以降はさらに減収が加速、4ー5月の売上高が前年比プラスだった博報堂DYホールディングス(2433)を考えると、国内でシェアを失っているとの見方を示した。

  KDDI(9433):2.7%安の2909円。スマートフォンの主要プランの月額料金を今夏中に1500円前後引き下げる方針を固めた、と8日付の日本経済新聞朝刊が報道。下げ幅は2割程度で、携帯大手の値下げでは過去最大規模となるとしている。値下げによる収益への悪影響が懸念された。同社は10日午前、新料金プランを14日から提供すると正式発表。

  KLab(3656):11%高の2129円。東海東京調査センターは投資判断「アウトパフォーム」、目標株価3300円で調査を開始した。前期に実施されたリストラ効果に加え、足元は既存タイトルが堅調に推移、今期から注力している他社の知的財産(IP)のスマホゲームシフトが進むことを評価した。17年12月期営業利益予想を39億7000万円、来期を56億5700万円と試算した。

  ローム(6963):5.2%高の8910円。クレディ・スイス証券は目標株価を8400円から1万1500円に引き上げた。自動車や産業機器の中期成長に加え、短期業績はゲーム関連での加速を予想。18年3月期営業利益予想を423億円から508億円に上方修正した。 

  チヨダ(8185):4.3%高の2997円。3ー5月期の営業利益は前年同期比2.9%増の35億300万円だった。不採算の靴店閉鎖や既存店が振るわず、減収だった半面、新POSシステムの導入など作業効率の改善に取り組んだ効果が出た。

  キヤノン(7751):2.6%高の3748円。SMBC日興証券では、東芝メディカルシステムズの株式取得に関わる欧州競争法上の届出義務違反の嫌疑で異議告知書をキヤノンが受領したことについて、実際に支払いがある場合でも同社売上高に占める比率が1桁以下の水準と予想。影響は軽微との旨を示した。当面はファンダメンタルズの好調さを評価できる局面とし、投資判断は「中立」で継続。

  ワキタ(8125):8.7%安の1183円。3ー5月営業利益は前年同期比3.1%減の15億7100万円だった。受注競争の激化や賃貸部門での市況悪化に伴う稼働率低下などで主力の建機事業が減益となった。

  オンワードホールディングス(8016):3.1%安の785円。3ー5月期営業利益は前年同期比7.7%減の45億6100万円と7日に発表。百貨店などで春物衣料販売が苦戦し、売上高が減った。

  象印マホービン(7965):1.9%安の1114円。ドイツ証券は投資判断を「買い」から「ホールド」、目標株価を1800円から1200円に下げた。炊飯器事業での国内シェア維持やステンレスマグ事業での中国売上高の拡大を想定してきたが、事業環境が変化していると指摘。炊飯器では既存メーカーの値下げ攻勢で今春の商戦期にシェアを落としたなどとし、業績予想を下方修正した。

  ミクニ(7247):6.4%高の497円。東海東京調査センターは投資判断「アウトパフォーム」、目標株価700円で調査を開始した。短期業績は中期的な成長の序章になるとみる。中国向け新製品の出荷が立ち上がり、インド市場の好調継続、軽自動車の回復などを背景に18年3月期営業利益は前期比16%増の40億円と会社計画37億円を上回ると見込んだ。来期は今期推定比9%増の43億6000万円と試算。

  ローランド ディー.ジー.(6789):5.3%高の2736円。いちよし経済研究所は投資判断を「中立」から「買い」に引き上げた。プリンターと工作機器の両面で中期施策が着実に推進されつつあり、同施策を勘案すれば現状株価水準は評価不足と分析した。4-6月期以降、新製品が収益に寄与、業績の底は17年12月期になると予想。フェアバリューは3400円で継続。

  コスモス薬品(3349):2%高の2万2000円。ゴールドマン・サックス証券は投資判断を「中立」から「買い」に上げた。9期連続増益を達成してきた高CROCI(投下資本に対する現金収益比率)、構造成長企業で中・四国や関西への拡大を武器に長期で現状営業利益の3倍弱となる余地を秘める優良銘柄、と評価。株価はここ1年でTOPIXを23%アンダーパフォームしており、投資好機が到来したとみる。目標株価は2万5000円。

  ディスコ(6146):2.7%高の1万8700円。4ー6月期の営業利益は前年同期に比べ88%増の130億円程度になったもよう、と8日付の日本経済新聞朝刊が報道。半導体メーカーの設備投資の増加に加え、利益率の高い替え刃など装置向け消耗品も好調で、従来予想(123億円)を上回ったとしている。

  リヒトラブ(7975):15%高の2079円。7日に発表した3ー5月期(第1四半期)の営業利益は前年同期比73%増の3億1700万円。新発売したやわらかいシリコン素材で、動物シリーズの「スマートフィットプニラボ」が女性、若年層中心に売り上げを大きく伸ばしたほか、コンパクトホッチキスも人気となった。18年2月期の営業利益計画を3億8000万円から前期比19%増の4億5000万円に上方修正した。

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