7日発表された6月の米雇用統計は好調だったにもかかわらず、労働市場にはトランプ大統領就任に伴う上振れは見られない。

  実際、トランプ政権発足から半年間の雇用情勢はオバマ前政権の終わりにかけての時期とよく似ている。雇用者数はしっかりと伸びており、失業率は低下基調にあるが、賃金の伸びは依然として精彩を欠く。

  非農業部門雇用者数は今年前半に月平均で18万人増と、2016年の18万7000人増に沿った水準。6月の失業率は4.4%で、昨年末の4.7%や15年末の5%から低下したが、前年に比べた平均時給の伸びは平均で2.6%と、16年と同水準だ。

  コンサルティング会社IHSのチーフエコノミスト、ナリマン・ベーラベシュ氏は、「労働市場はまずまずのペースで順調に進み続けるだろう。どちらかと言えば、トランプ大統領の影響はほとんどない」と指摘した。

  6月の雇用統計では、非農業部門雇用者数が前月比22万人増と、2月以来最大の伸びになった。ペンス副大統領はツイッターで、雇用統計に関する報道に言及し、「トランプ大統領の政策課題が米経済を強化し続けている」とコメント。スパイサー大統領報道官は6月の米就労者数が過去最高の1億5316万8000人に達したとの新聞記事をリツイートした。政権幹部は最新の雇用統計を誇らしげに話すものの、小さな問題が一つある。国内総生産(GDP)が伸び続ける限り記録は事実上毎月のように更新される点だ。

  アトランタ連銀の予測モデルの通り4-6月(第2四半期)の成長率が年率2.7%となれば、今年前半の平均は2%程度となり、09年半ばに始まった現行の景気回復局面の平均とほぼ同じペースにとどまる。トランプ氏が大統領選期間中にしばしば愚弄(ぐろう)していた水準だ。アマースト・ピアポント・セキュリティーズのチーフエコノミスト、スティーブン・スタンリー氏は「全般的に見て、状況は16年や15年と劇的に異なるわけではない」と語った。

原題:U.S. Jobs Market Under Trump Looks a Lot Like Obama’s So Far(抜粋)

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