トランプ米政権が同盟国に制裁関税を課すと表明したことを受け、米国を除く20カ国・地域(G20)首脳は世界鉄鋼市場における過剰生産能力の拡大と価格の低迷に対処することに合意、トランプ政権の圧力に屈する形となった。

  8日未明まで続いた協議で、米当局者らは首脳宣言に、参加各国が過剰鉄鋼生産に対処する期限を定める文言を盛り込むことに成功した。同宣言の写しで明らかになった。また中国などは国内鉄鋼生産会社への補助について透明性を高めることも求められる。これと引き換えに、米国は「保護主義との闘い」という文言を再び盛り込むことに同意した。

  ハンブルクでのG20サミット中、首脳らの念頭を離れなかったのは鉄鋼を巡る貿易戦争が勃発するのではないかとの懸念だった。こうした懸念は、メルケル独首相が7日、交渉は難しいと分かりつつあると発言したことにより、さらに強まった。しかし、結局、首脳宣言はトランプ大統領が正当と見なすなら、厳しい新たな鉄鋼関税を課すことが可能な文言に落ち着いた。

  ブルームバーグが入手した写しによれば、首脳宣言には、世界の指導者らが「政府や関連主体による市場歪曲的な補助金およびその他の支援措置」の撤廃を「緊急」に求めるという一節が含まれている。これは昨年の中国・杭州でのG20首脳会議よりもはるかに強い表現となった。

  これに加え、G20各国が「今年8月までに情報共有と協調の強化に関するコミットメントを達成し、鉄鋼の過剰な生産能力を減少させる具体的な政策的解決策を速やかに策定する」と定められた。データと解決策はその後、リポートにまとめられ、11月に経済協力開発機構(OECD)の過剰鉄鋼生産に関するグローバル・フォーラムが発表する。

  G20各国は来年のブエノスアイレスでのサミットで、進展状況を確認することになる。首脳宣言の写しで明らかになった。

  同宣言のこうした文言は中国の習近平国家主席にとって打撃となった。習主席は、過剰生産能力と鉄鋼製品の価格低迷で中国政府を真っ向から批判しようとする米政府の取り組みに抵抗してきた。

  中国は2020年より前に、年間鉄鋼生産能力を最大1億5000万トン減らすと確約しているが、米欧当局は鉄鋼などの製品に対する政府補助の抑制が不十分だと指摘している。

  また今回の首脳制限には、「不公正な貿易慣行」への対処で各国が「正当な貿易防衛手段」を適用する権利を認めた。これにより、トランプ政権が将来的に関税を課すことが可能となった。

原題:U.S. Squeezes Steel Concessions From G-20 Amid Tariff Threat (1)(抜粋)

最新の情報は、ブルームバーグ端末にて提供中 LEARN MORE