新興アジア通貨は、緊迫化する北朝鮮問題や中国の大掛かりなレバレッジ規制への強化をよそに、年後半も順調に推移する、と新興国市場を担当する関係者はみている。

  世界有数のファンドマネージャー、ストラテジスト、トレーダーら18人を対象にブルームバーグが実施した新興国通貨の2017年下半期見通しに関するアンケート調査によると、リスク要因に対して抵抗力のある通貨は、アジア域内の2大高金利通貨であるインドルピーとインドネシアルピアがそれぞれ1位と3位、2位はアルゼンチンペソだった。一方、諸リスクに対して脆弱(ぜいじゃく)とみられている通貨は、トルコリラ、ロシアルーブル、メキシコペソなどだった。

  FPG証券の深谷幸司CEOは、上位に付けた新興アジア通貨について「欧州の政治リスク、中東の地政学リスクという主な外的リスクなどから幾分距離がある」と指摘。半面、「トルコやロシアは直接的にこうしたリスクに直面している」と説明した。「アジアは相対的にファンダメンタルズが堅調なこともあり、世界的な景気回復サイクルの恩恵を最も受けやすいかもしれない。中国ですら経済に対するダウンサイドリスクが薄れており、大きな影響を与えることにはなっていない」と述べた。

  米連邦準備制度理事会(FRB)の金融引き締めやトランプ米大統領を巡るリスクなどに対して、新興国市場全体はどう向き合うのか。調査結果は以下の通り:

脆弱な通貨はどこの国?
脆弱な通貨はどこの国?
Bloomberg Research

回答者に自身の運用資産の下半期見通しを基に国・地域をランク付けしてもらった。

マーケット見通し
マーケット見通し
Bloomberg Research

米FRBの利上げは新興国の金融市場をつまずかせるまでには至っていないが、投資家は決して無頓着というわけではないようだ。欧州中央銀行(ECB)や日本銀行が世界的な金融引き締めの流れに加わる可能性が取り沙汰されているだけに、なおさらだ。

米FRBの金融政策正常化
米FRBの金融政策正常化
Bloomberg Research
ECB・日銀の金融政策
ECB・日銀の金融政策
Bloomberg Research

朝鮮半島から中東まで地政学的な緊張に事欠かない。脆弱性という観点から、新興国通貨はこれらのリスクにどう反応するのか:

地政学的リスク
地政学的リスク
Bloomberg Research

トランプ政権が投げかける難題の影響を受けやすい通貨は?アンケート調査の結果からは、メキシコペソにとって良いニュースではないとする一方、インドネシアルピアは相対的にリスクが低いという見方が出ている。

トランプ要因
トランプ要因
Bloomberg Research

英国のEU離脱を問う国民投票から1年以上たったが、その結果は長期化が見込まれるEU離脱プロセスとともにいまだ市場に波紋を呼んでいる。欧州の選挙リスクは目先まだ残っている。

欧州の政治的リスク
欧州の政治的リスク
Bloomberg Research

アンケート調査への回答者は以下の各社(五十音順):アビバ・インベスターズ、アシュモア・グループ、SBI証券、NNインベストメント・パートナーズ、NBCフィナンシャル・マーケッツ・アジア、FPG証券、クルン・タイ・バンク、CIBC、スタンダード・ライフ・インベストメンツ、第一生命経済研究所、大和住銀投信投資顧問、ダンスケ銀行、デュポン・キャピタル・マネジメント、トラック・ドット・コム、ニューフリート・アセット・マネジメント、みずほ銀行、三菱UFJ国際投信、UBSウェルスマネジメント

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