10日の東京株式相場は3営業日ぶりに反発。良好な雇用統計を受け、米国経済に対する悲観的な見方が後退、為替の円安も好感された。米テクノロジー株の上昇もあり、電機や精密機器、ゴム製品など輸出株が高い。コンテナ船業界の再編期待も広がった海運株は業種別上昇率でトップ。

  TOPIXの終値は前週末比8.42ポイント(0.5%)高の1615.48、日経平均株価は151円89銭(0.8%)高の2万80円98銭。日経平均は終値で3営業日ぶりに2万円台を回復。

  アライアンス・バーンスタインの日本株バリュー株式最高投資責任者である堀川篤氏は、米雇用統計は「FRBの利上げ姿勢にサポ-ティブな内容だった。米国が利上げ方向であることは、日本株にプラスの影響があり得る」と指摘。直近では、「ファンダメンタルズがあまり良くないのに金利だけ上がると株式市場に良いインパクトが出ないとの懸念があった」とし、米雇用統計は「純粋にファンダメンタルズで悪い話ではない」と言う。

東証外観
東証外観
Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg

  米労働省が7日に発表した6月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が前月比22万2000人増え、市場予想の17万8000人増を上回った。平均時給は前月比で0.2%増、市場予想は0.3%増だった。

  海外市場でのドル買いの流れを受けたきょうのドル・円は、一時1ドル=114円20銭と5月11日以来、2カ月ぶりのドル高・円安水準に振れた。7日の日本株終了時点は113円70銭。7日の米10年債利回りは2.39%と2ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇。みずほ証券投資情報部の三野博且シニアストラテジストは、「世界的な金利上昇に対する警戒感がやや楽観的な方向に変化した」とみていた。

  米経済への悲観後退や為替動向が好感され、週明けの日本株は朝方から輸出セクター、海運株を中心に買いが先行。日経平均は2万円台に戻し、午後の取引では一時198円高まで買われた。前週末の米国株上昇も投資家心理面でプラス要因。7日のS&P500種株価指数は0.6%高と反発、モルガン・スタンレーが2018年の半導体関連設備投資額の予想を1%増に上方修正(従来8%減)し、アプライド・マテリアルズなど半導体関連が買われた。「日本の割安株はシクリカル銘柄に多い
」と、アライアンスの堀川氏は話している。

  午後には、国内のマクロ関連材料が足元の日本経済の改善を示した。日本銀行が10日に公表した地域経済報告(さくらリポート)は、北海道や関東甲信越、近畿、中国、九州・沖縄の5地域の景気判断を上方修正。内閣府による6月の景気ウオッチャー調査では、先行き判断DIが50.5に改善、4カ月ぶりに50に乗せた。

  東証1部33業種は海運、その他製品、ゴム製品、電機、証券・商品先物取引、不動産、精密機器、金属製品、空運など27業種が上昇。海運は、国内大手3社が定期コンテナ船事業のための新会社を設立したほか、中国国有会社が香港のコンテナ海運会社を買収することなどが材料視された。下落は石油・石炭製品、情報・通信、銀行など6業種。通信は、新しい定額料金プランによる収益性の低下が懸念されたKDDIの下げが響いた。

  売買代金上位では、クレディ・スイス証券が目標株価を上げたロームが高く、任天堂や商船三井も高い。東海東京調査センターが投資判断強気で調査を開始したKLabは大幅高。半面、NTTやNTTドコモ、東芝、テレビ広告の不振で月次売上高が低調だった電通は安い。

  • 東証1部の売買高は15億4025万株、売買代金は2兆993億円、代金は前週末に比べ7%強減った
  • 上昇銘柄数は1411、下落は469
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