バッテリー価格の下落で電気自動車の販売台数が伸び、今後20年のうちに化石燃料で走る従来型自動車を追い越す。世界の自動車業界は根底から覆され、石油輸出国は経済的な混乱に陥る。

  ブルームバーグ・ニュー・エナジー・ファイナンス(BNEF)はこうした予測を示した。製造コストの急激な低下を受け、排ガスを出さない自動車は普及が従来考えられていた以上に早く進み、2040年までに世界自動車台数の3分の1を電気自動車が占めるようになると見込む。実現すれば、サウジアラビアの現時点の輸出量を上回る日量約800万バレルの石油が取って代わられる公算だ。

  BNEFの先進交通担当リードアナリスト、コリン・マッケラチャー氏は6日、電気自動車の販売が急速に伸びる見通しについて「純粋かつ単純な経済の問題」だと指摘。「他の多くの人が予想するより、リチウムイオン電池価格の下落がより早く急激に訪れるからだ」と説明した。

  BNEFの予測は国際エネルギー機関(IEA)よりも強気だ。リチウムイオン電池への投資急増でテスラや日産自動車の生産能力が拡大するほか、中国や欧州などの消費者需要も伸び、この予測を後押しするとみている。

  リチウムイオン電池のコストは2010年からすでに73%下落したが、BNEFではバッテリー製造企業のイノベーションが加速し、今後20年間で平均価格はこれまで以上に急速に下落すると予想。ガソリン需要低下の影響を受ける石油企業、電気自動車では必要としない燃料噴射装置のメーカーが打撃を受ける一方、黒鉛やニッケル、アルミニウム、リチウム、コバルト、マンガンなどの商品需要は急増すると見込んだ。  

  このほかの予測は以下の通り。

  • 今後わずか8年の間に電気自動車の価格はガソリン車と同等になり、2040年までに電気自動車の全世界合計台数は5億3000万台に達する
  • 2040年には電気自動車の消費電力量は1800テラワット時と、世界全体の電力需要の5%を占めるようになる。2016年の電気自動車の消費電力量は6テラワット時
  • 電気自動車用リチウムイオン電池の生産能力は現時点で90ギガワット時前後だが、2021年までに270ギガワット時に増加する見通し
  • 充電スタンドの整備を巡る問題が、引き続き電気自動車の成長を抑える阻害要因になる

原題:Electric Cars Seen Dominating by 2040 as Battery Prices Plunge(抜粋)

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