7月第2週(10日-14日)の債券市場では長期金利が下げ渋ると予想されている。日本銀行が5カ月ぶりに指し値オペを実施したことで0.1%程度が上限として意識される一方、欧米金利上昇や超長期債利回りの上昇に対する警戒感が根強いためだ。

  長期金利の指標となる新発10年物347回債利回りは5日以降、中期債の需給懸念や海外金利上昇を受けて徐々に上昇し、7日に0.105%と2月以来の高水準を付けた。このため、日銀が前回2月と同水準0.11%の指し値オペを通知し、長期債の買い入れも増額したことで、0.085%まで低下した。

  三菱UFJ信託銀行資金為替部の鈴木秀雄課長は、「日銀が0.11%を死守したことで金利は上昇しづらくなった」とする一方、「海外金利上昇の影響もあり、金利が大きく低下するイメージも持てない」と指摘。「超長期債のオペは増額されず、イールドカーブは超長期中心にスティープ(傾斜)化する余地がありそうだ」と言う。

  6日の海外市場では、米国10年国債利回りが一時2.39%程度と約2カ月ぶりの水準まで上昇した上、ドイツ10年国債利回りは節目の0.50%を上抜けて1年5カ月ぶりの高水準になった。欧州中央銀行(ECB)など先進国の中央銀行当局者が示すタカ派的な姿勢が影響した。

  JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長は、「今後の焦点は上昇を続ける欧州の金利がどの段階で落ち着くのかということと、米雇用や金融政策の見通しだ」と言う。

  7日の海外市場では6月の米雇用統計の発表に注目が集まっている他、12、13日にはイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長が上下院で議会証言を行う。

  国内では財務省が11日に5年利付国債入札を実施する。発行額は2兆2000億円程度。13日には20年利付国債入札が予定され、1兆円程度の発行となる。

  野村証券の中島武信クオンツ・アナリストは、「20年債入札は銀行の需要もあるゾーンなので普通に終わると思うが、海外金利や円安の影響も受けやすいため波乱の可能性がある」と言う。

  一方、日銀の国債買い入れオペは、12日が残存期間「1年超5年以下」と「5年超10年以下」、14日は「1年超5年以下」と「10年超」が実施される予定となっている。

  岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジストは、「相場の不安定な動きが続けば、日銀は中期債の買い入れ額の増額にも踏み切る可能性がある」と指摘し、「日銀が利回り上昇を抑える姿勢を明確にすることで相場の下値は支えられる」とみている。

市場関係者の見方

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◎JPモルガン・アセット・マネジメントの塚谷厳治債券運用部長

  • 海外金利がさらに上がって円安が進めば国内金利にも上昇圧力
  • 5年債入札、荷もたれ感から金利上昇していたが日銀が動いてきたので無難通過
  • 長期金利の予想レンジは0.05~0.11%

◎三菱UFJ信託銀行資金為替部の鈴木秀雄課長

  • 5年債と20年債の入札は指し値オペを受けた安心感から無難か
  • 相場そのものはボックスになりやすい
  • 長期金利の予想レンジは0.05~0.11%

◎岡三証券の鈴木誠債券シニアストラテジスト

  • 日銀が金利操作の対象としていない超長期国債は不安定な動きを続ける可能性
  • 利回り上昇が限られる10年債に対し20年債は幅広い投資家から需要、入札は無難消化か
  • 長期金利の予想レンジは0.06~0.10%

◎野村証券の中島武信クオンツ・アナリスト

  • 20年債入札は海外金利や円安の影響を受けやすく波乱含み
  • 5年債入札は金利の上昇余地が分かっているが、超長期はどこまで金利が上がるか分からない
  • 長期金利の予想レンジは0.06~0.10%

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