米小売大手のウォルマート・ストアーズは、7年ぶりに円債を起債した。米国と異なり、日本は超低金利政策が継続して調達コストが低下しているのに加え、日本でもよく知られた米社債に対する投資需要は根強いことが背景にある。

  同社が起債したのは5年、7年、10年の3本建てで総額1700億円。円債の発行は2010年7月の1000億円以来だ。日本での起債で調達した円をドルに交換するコストである5年物ドル・円ベーシススワップは7日、61ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)。今年は1月に90bpまで上昇していた。

  日本銀行がマイナス金利政策を継続する中、スターバックスやアフラック、IBMなどの米企業は昨年末以降、円債を発行。野村証券によれば、日本の当局への書類提出などに掛かる費用の削減に向けて、米企業はサムライ債ではなく、円債を選択する傾向にあるという。

  野村証券の角川尚子クレジットアナリストは、従来は円のドル転換コストが非常に高かったとした上で、「最近になって海外発行体にとっての調達コストが低下してきた」と指摘。サムライ債以外の円債で調達した背景については「日本語の有価証券報告書の提出義務はないので、発行コストが安くて済む」と話した。

  ウォルマートの広報担当、ケビン・ガードナー氏は、電子メールで「当社はグローバル企業であり、調達ニーズを勘案しながら世界中のマーケットで機会を探っている」と、円債発行の背景についてコメントした。

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