7日の東京外国為替市場では円が全面安。欧米を中心に国債利回りの上昇傾向が鮮明となる中、日本銀行が5カ月ぶりの指し値オペで長期金利の上昇を抑制する姿勢を示したことで、円売りが優勢となった。

  ドル・円相場は1ドル=113円台前半から一時113円84銭と5月15日以来の水準まで円売りが進行。午後4時13分現在は113円81銭前後となっている。また、ユーロ・円相場は1ユーロ=129円台前半から一時129円94銭と昨年2月10日以来の水準まで円安に振れ、同時刻現在は129円93銭前後。

  日銀は午前10時10分の金融調節で、残存5年超10年以下の国債買い入れオペの5000億円への増額と指し値オペを通知した。欧米の金利上昇を受けて、新発10年債利回りは朝方に0.105%と前回の指し値オペが実施された2月3日以来の水準まで上昇。日銀の通知後は0.085%まで低下した。 

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  三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作チーフ為替ストラテジストは、「海外金利が上がっても、長短金利操作の基本的な考え方や枠組みは変えないという日銀の意思表示があったということで分かりやすい反応になっている」と円の下落を説明。「米雇用統計受け入れ前のドル・円の発射台を高く保つという機能は果たした」と話した。

欧米中銀との違い示す

  6日の海外市場ではドイツの10年債利回りが節目の0.5%を超えて1年半ぶりの水準となる0.56%前後に上昇。欧州中央銀行(ECB)など主要国の中央銀行がタカ派姿勢に傾斜していることが背景で、米10年債利回りも約2カ月ぶりの高水準を付けた。

  外為オンライン情報サービス室の佐藤正和顧問は、欧米につられて国内金利も上昇してきているが、日銀の金融政策は安倍政権との関係もあり、追随はないと解説。日銀オペで欧米中銀との違いを示したとし、「これでECBが年内に緩和縮小を始めれば、金融政策の差、金利差が開くので、円安で攻めている感じだ」と話した。

  ECBが6日に公表した議事録では、6月会合で緩和バイアスの解除が検討されたことが明らかとなった。ユーロ・ドル相場は前日の海外市場で1ユーロ=1.14ドル台を上昇し、この日の東京市場では一時1.1426ドルと4営業日ぶり高値を付けた。ECBの緩和縮小観測を背景にユーロは先週、2016年5月以来の高値(1.1445ドル)を記録している。

米雇用統計

  ブルームバーグがまとめたエコノミスト調査では、7日発表の6月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比17万8000人増が予想されている。5月は13万8000人増だった。失業率は5月から横ばいの4.3%、賃金インフレの動向を探る上で注目の平均時給は前月比0.3%増、前年同月比2.6%増と5月の伸びをそれぞれ0.1ポイント上回ると見込まれている。  

  上田ハーロー外貨保証金事業部の小野直人ストラテジストは、「完全雇用に近い状態で雇用者数の増加ペースは加速しにくいため、予想を大幅に上回る結果も期待しづらく、ドル・円の114円台回復にはまだ距離がありそう」と指摘。114円回復までの距離が縮まるとするなら「時間給の大幅増を伴う場合」とみている。

  4日の大陸間弾道ミサイル(ICBM)試射で北朝鮮情勢をめぐる緊張が高まる中、きょうから20カ国・地域(G20)首脳会議がドイツのハンブルクで始まる。トランプ大統領は6日、ワルシャワでの記者会見で、米国は北朝鮮についてかなり重大な措置を検討していると述べた。

  三菱UFJモルガン・スタンレー証の植野氏は、北朝鮮問題に関しては「いろいろなシナリオが描けるので思考停止になっている部分がある」と指摘。やはり注目は米国の金融政策で、6月の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の雇用統計という新たな情報を踏まえて、来週のイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長の議会証言で利上げとバランスシート縮小の関係やタイミングについてどのような見解が出てくるかが焦点になると語った。

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