米金融当局に追随し政策の引き締めを示唆する中央銀行が増え、主要国・地域で利回りが上昇する今、ストラテジストが負け組となる公算大だとしているのが新興市場通貨だ。

  米国やドイツの国債利回りが上昇する一方、新興市場通貨から成るMSCI指数は6日の取引で7週間ぶり安値付近で推移した。投資家が前回、主要国の金利上昇に身構えた2006年には、同指数は数週間で5%近くその価値を失い、新興市場の株式相場は急落した。

  主要国での利回り上昇は高リスクの新興市場への需要を損ねる。MSCI指数が重要な移動平均を割り込む中で、新興市場通貨の痛みはまだ終わっていない可能性がある。ブラウン・ブラザーズ・ハリマン(BBH)の新興市場通貨責任者ウィン・シン氏(ニューヨーク在勤)は、「転換点だ。新興市場投資の全体的なリスクと報酬の関係が変わった」と述べた。

  新興市場通貨の全面的な値下がりを招く材料を巡り、アナリストらの見方が一致しているわけではない。ゴールドマン・サックス・グループのストラテジストらは新興市場通貨の急落につながるような利回りの急上昇は想定していない。だがシン氏はトルコ・リラと南アフリカ共和国のランドが金利の優位さ縮小に対して最も脆弱(ぜいじゃく)だとみている。両国の厳しい経済・政治的状況も懸念材料だという。

  サクソ銀行の外国為替戦略責任者ジョン・ハーディー氏は5日公表のリポートで、「われわれのシナリオでは新興市場通貨は7-9月(第3四半期)に最大の下振れリスクに直面する。世界的な減速および世界のリスクスプレッド変調、あるいはタカ派色を強める米金融当局のいずれかからか、もしくはその両方からのリスクだ」とコメントした。

原題:Emerging Currencies in Bull’s-Eye as Central Banks Signal Hikes(抜粋)

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