ベルリンの簡易宿泊所やソフィアの結婚式場、ワルシャワの音楽スタジオといった施設がトラブルに直面している。金正恩朝鮮労働党委員長の北朝鮮が施設の所有者であるためだ。

  中東欧の首都では民間企業が北朝鮮大使館との間で施設の賃借契約を結んでおり、金正恩政権に資金を供給する形となっている。こうした契約は国連決議違反だが、事業はなお継続されている上に、各国政府も賃貸借契約を打ち切らせるのに苦労している。

ソフィアにある北朝鮮大使館の施設入り口(6月19日)
ソフィアにある北朝鮮大使館の施設入り口(6月19日)
Photographer: Slav Okov/Bloomberg

  米国の同盟国が比較的支障のない事業活動を取り締まることさえ難しい状況は、北朝鮮に厳しい制裁を科す上での課題を示している。米国は北朝鮮への資金流入を制限するために主として中国に圧力をかけているが、ティラーソン米国務長官は他の国・地域にも一層の取り組みを求めている。

  香港・嶺南大学のブライアン・ブリッジズ非常勤教授(アジア政治)は「制裁強化について話すのは非常に簡単だが、それを現場レベルで実行に移そうとすると、それぞれの国に優先事項があるというのが現実だ」と指摘。「北朝鮮から何千マイルも離れたところにいて直接的な脅威でなければ、優先順位はかなり低くなる」と述べた。

  北朝鮮が保有するドイツとブルガリア、ポーランド、ルーマニアの施設は特に広々としている。この4カ国は北朝鮮大使館が施設を貸し出すのをやめさせるための措置を講じていると国連に報告しているが、それぞれ平壌に大使館を構えていることもあり、施設に立ち入って閉鎖するなどの対応を取れないでいる。

原題:How European Backpackers and Lovebirds Fund Kim’s Embassies(抜粋)

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