イリノイ州では州議会が増税を盛り込んだ総額360億ドル(約4兆1000億円)予算案へのラウナー知事(共和)の拒否権を覆し、同州で最長となった予算を巡る行き詰まりが解消された。米信用格付け会社は予算が成立しなければ、同州の債券の格付けをジャンク級に引き下げる可能性があると警告していた。

  予算を巡る行き詰まりの解消は、選挙で選ばれたリーダーらが州政府の財政問題に取り組み始めている兆しだと受け止められ、同州の債券価格は上昇した。同州は過去2年、年度予算が成立せず、財政赤字が膨らみ続け、準備金が減り、未払い金が山積。積み立て不足の同州職員年金基金への債務も増加している。

  同州の下院は6日、上院に続いて予算関連法案を承認。州議会は民主党主導だが、共和党議員の十分な支持を確保し、知事の拒否権を無効にした。今回の予算措置は個人と法人の所得を対象に増税するほか、未払い金の支払いを開始し、向こう1年の支出水準を設定して財政不透明感の解消を図る。

  議会の行動に先立ち、S&Pグローバル・レーティングやムーディーズ・インベスターズ・サービスは先月、ジャンク級(投機的水準)を1段階上回る水準に同州の格付けを引き下げ、政府が財政再建で措置を講じない場合はさらなる格下げもあり得ると警告していた。米国の州が投資適格級を下回る水準に格下げされた前例はない。

  予算法案が議会を通過したものの、格下げリスクが完全に払拭(ふっしょく)されたわけではない。ムーディーズは5日、予算案では期待ほど多くの資金を確保できない可能性があり、未払い金の圧縮に向けた借り入れで同州の債務は増加すると予想し、同州の格付けを格下げ方向で見直すと発表している。

原題:Illinois House Overrides Rauner’s Veto to End Budget Impasse (1)(抜粋)

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